ONE PIECE3

□ハートの女王3
2ページ/3ページ

島に到着後、ログが1日で溜まる事を確認して夕方まで自由行動にした。

見張りにゾロを残し一味は街に出掛けた。

「ロー何が食べたい?」

機嫌よさげに尋ねられてローは首を傾げた。

「何か名産はあるのか?」

その光景は弟を気遣う兄と生意気な弟という構図だった。

「漁業が盛んな島だから魚料理だな」

「魚なら何でも」

「お前淡白なもの好きだよな……体若返ってんだから、少しばかり濃厚なもんも食えるんじゃねぇか?」

「……普段の俺を年寄り扱いするんじゃねぇよ。単に好みの問題だ。消化どうこうの話じゃねぇよ」

「そうか?もたれるから好きじゃねぇって何回聞いたことやら…」

「それは体質だ…昔からそうだった」

「まぁ。店は沢山あるんだ。俺がイイ店選んでやるよ」

「…任せた」

2人は街をぶらつきながら歩いた。

もっぱら足を止めるのはサンジで帰りに買う食材のチェックをしているようだった。

ローはその様子を興味なさげに見ていた。

「おい、てめぇ」

ぞんざいな呼びかけに振り返ったのはその声に聞き覚えがあったからだ。

「ユースタス屋…」

声の主はユースタス・キャプテン・キッドだった。

「やっぱりか。見覚えのある帽子……何かてめぇ変だな?」

ローは内心舌打ちした。

気付かない訳はないと思っていたが気付かれたくはなかった。

キッドはローをマジマジと見つめている。

「髭がねぇのか…」

キッドがローの顎を掴み顔を上向かせた。

「……てめぇ、縮んだか?」

キッドは違和感の正体がローが小さくなったからだとようやく気が付いた。

ローが気まずそうに頷くと、グイッと後ろから体が引かれた。

「黒足屋?」

「うちのローが綺麗だからってナンパは遠慮願いたいね」

口の端をあげてサンジがニヤリと笑った。

「ハッ!!別に興味はねぇよ」

キッドは手を離すとサンジを見た。

「麦わらのクルーか?」

「サンジってぇんだ。よろしくな」

「よせよ。よろしくするような間柄じゃねえだろ」

「まぁそれもそうか……」

「なぁ、トラファルガーはどうしたんだ?」

そんな間柄ではないと言いながらもローの事は気になるようだ。

「少しヘマをして若くなったが明日には戻る」

キッドに答えた。

サンジから見てもキッドが単純な興味からではなく、根底にあるのが心配だと読み取れたからだ。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ