ONE PIECE3

□まばたき3回
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ローは今、自分に起きた事が理解できずにいた。

時は数分前に遡る。

キッチンで紅茶をもらったローはテーブルに着いていた。

もうすぐおやつの時間だ。

今日はサンジはケーキを作っていて、部屋に甘い香りが満ちている。

そう見えなくても甘い物がすきなローとしては待ちどおしい。

15時前になるとルフィが、

「腹減った〜サンジおやつ!!」

お腹を空かせて飛び込んできた。

「待て!!今、置いてやるから」

「俺自分で持ってくからいいぞ!」

ルフィはサンジからケーキ皿を奪い取りターンをした瞬間足元を滑らせた。

つんのめり皿からケーキが飛び出した。

飛んでいく先はローの方で、

「トラファルガー危ない!!」
「トラ男よけろ!!」

2人の呼び掛けに、

「は?」

ローは振り返ってしまった。

ぐしゃり

急に襲った衝撃にローは肩を揺らした。

「………」

そこで冒頭になるのだ。

ルフィのケーキはローの頬に直撃して首やTシャツを汚して無惨にも床に落ちていた。

「ルフィてめぇ今日のおやつ抜きだ」

サンジは落下したケーキを片付けながらルフィに怒鳴った。

「えぇー!?」

「いいからまずはトラファルガーに謝れ」

「ごめんなさい」

前にもこんな事あったなとデジャヴを感じながら、

「ああ」

一言答えた。

ルフィの視線が外れない。

ローの頬を凝視している。

「うん。やっぱもったいねぇ」

1人頷くとローの肩に腕を回した。

「?」

ローが訝しんでいると、ベロリと頬を舐めあげられた。

予想もしない事にローは、

「うぁ……ッ」

悲鳴を上げた。

そこで床を拭いていたサンジが顔をあげると、ルフィが首筋に付いたクリームを舐めとっていた。

ローはルフィに巻き付かれて身動きが取れない状態で舐め回されて涙目になっていた。

「このバカ離れろ!!」

ルフィをローから引き剥がすと安堵したのがわかった。

そのままサンジは温かいお湯でタオルを絞るとローに手渡した。

「悪いな。それで拭いてくれ」

ローは顔と首筋を拭いて面を変えると服に付いたクリームを落とし始めた。
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