社長ドフラミンゴシリーズ2
□聖夜の誤解
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「ペ…ペ…ペンギン!!どうしよう。俺、ヤバいもん見ちゃった」
朝、顔を合わせた長年の友人はどもって喚き立てた。
人の注目を集めている。
「シャチうるさい。みんな見てるだろ。ヤバいもんてなんだよ?」
シャチは周りを見回して小声で言った。
「中・高一緒のトラファルガーいただろ」
「ああ。外部入学の…」
「昔から何か抜けててぼぅっとした奴だったけど…」
「それをお前に言われるのは心外だと思うぞ」
「じゃなくて…トラファルガーなんか…男に囲われてる!!」
「はぁ?囲われてるって古い言い回しだなって、ゆーかお前意味解ってるか?」
「じゃあ飼われてる」
「本質は同じだろ?」
俺は肩をすくめた。
「とにかく昨日見たんだよ。トラファルガーが年上の男と買い物してるの」
「それってただの知人か恋人じゃないのか?」
「男だよ!?」
「俺達の通ってた学校にだっていただろ?男子高だったし。本人の趣味は解らないからな」
「だって買い物中にトラファルガーの事ローって呼んでて、トラファルガーも相手をドフィって愛称みたいなので呼んでたんだよ?…トラファルガーが欲しそうに見てるやつを男は買い与えてるし、何か腕にくっ付いて歩いてるし」
「やっぱりただの恋人だろ?」
「だってトラファルガーだぞ。触られるの苦手で男の先生と1対1で話せなくて俺も付き添った事あるし」
「そういえばそうだったな」
「きっとぼんやりしているうちにあの男に騙されていいように弄ばれてるんだ」
「だから苦手な奴と仲良く出来ないだろ?」
「忘れたのか?トラファルガーは懐に入れた奴には警戒心なんてなくて相手の下心に気付かない奴だぞ」
「そうだったな…」
「俺、昨日2人を尾行したんだ。マンションも突き止めてる。絶対トラファルガーを救ってみせる」
「その前にトラファルガーに話を聞けよ。勘違いで突っ走ると迷惑だぞ」
「任せろ」
堪らなく不安だった。