フェアリーテイル

□あの事件
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依頼主である村長の話しを詳しく聞いてから、
クリスタルに連れられて毒花退治へ。

見た目は極々フツーの花で、淡い赤色をした、大きい花弁が特長的だった。

退治の仕方は簡単。
花ごと氷漬けにして砕くだけ。

大量に発生はしていなかったが、一ヵ所に集まる傾向があるらしく、花粉を吸い込まないようにするのが大変で、
クリスタルが操る、風のサポートが必須な状態だった。


小二時間、花を見付けては砕く作業を繰り返し、クリスタルが最後に空気中に漂っている花粉も氷漬けにして終了。


「…終わりか?」

「……そうね」


そう言いながら小難しい顔をしているクリスタル。
さっきから土をいじくりながら眉間にシワを寄せていた。


「…いきなり発生したとは考えにくいってか?」


クリスタルが考えてそうなことを口に出してみると、クリスタルは首を横に振りながら立ち上がった。


「惜しいわね。誰かが意図的に植えたのか、それともなにか原因があって発生したのか…。
そんなとこを考えてたわ」


…オレの考えのそのまた先を考えていたってことですね…。

相変わらずの頭の良さに舌を巻く。

そんなオレに一瞬目線を寄せて、「とっとと村に戻るわよ」と、クリスタルはさっさと歩き出した。
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