フェアリーテイル
□あの事件
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―――3年前―――
―――――
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―
「…おぉ、グレイ、クリスタル。ちょっとこっちに来い」
「ん?」
「…何でしょうか」
クリスタルと2人でギルドに顔を出した時だ。
いきなりじーさんに呼ばれて寄ってみたら、1枚の依頼書を渡された。
「依頼?」
「この依頼は?」
「そこに書いてある通り、遠くの村で、村の者達が何人も体調不良を訴えているそうだ。
その原因が、最近いきなり咲き始めたある花らしくてのぉ…。
その花を詳しく調べると、花粉に毒が含まれていることがわかったそうだ。
それでその花の駆除の依頼が来たのだが…」
どうだ?
と訪ねるマスターに、クリスタルはコクリと頷いた。
「私1人でも十分です」
「オレも行くよっ」
言い切ったクリスタルに、慌てて言葉を被せる。
そうでもしないと、このまま話が進むことは目に見えていたからだ。
「うむ、それじゃあ頼んだぞ」
「はい。…行くわよ、グレイ」
さっさとギルドを出ていこうとするクリスタル。
「あ、オイ待てって…!」
「気を付けてな〜」
じーさんののんびりした声に見送られながらギルドをあとにしたのが、
始まりだった。