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□真琴(free!)
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朝起きて、準備して、彼女を迎えに行くのは毎日の日課で当たり前の日常


「真琴くん、おはよう」

ニコって微笑みながら家の前で手を振る俺の可愛い可愛い彼女。目に入れてもってこういうこと言うんだろうなって本気で思う。

「おはよう、名無しさん。待たせちゃった?」

「ううん、ピッタリだったよ。いつもありがとう。」

「俺が名無しさんと一緒にいたいだけだから…ね?じゃあ、行こうか」

手を差し出すと握り返してくれる。微笑むと微笑み返してくれる。そんな些細なようで些細でないことがとてもうれしくて。

「今日はね、体育でバレーやるんだよ。私、足引っ張らないようにしなきゃ…」

「そっか。怪我しないようにね?もう…俺がずっと見てたいくらいだなぁ…名無しさんは張り切りすぎちゃうから、心配」

「もう、大丈夫だよっ?でも私も真琴くんと同じ高校に行けばよかったなあ…」

一つ年下の彼女が通うのはうちの高校のすぐ近くの女子高。悪い虫がつかないっていう点では安心、かな?
手をつなぎながら、ゆっくりと歩く通学路。同じ学校がよかったってぶーぶーいうのもいつものこと。俺もそっちのほうがよかったなあって思ったけど、やっぱりほかの男子に名無しさんを見せたくないって思うのと色んな彼女が見たいっていうのと…半々かな

「あ、そうだ。俺が女子高に入ればいいのか」

「ま、真琴くん意味が分からないよ…私が編入するほうが現実的だもん」

「ダメ」

「どうして?」

「どうしても」

ダメ、とどうして?どうしても。の繰り返し問答。


「だーめ、こんなに可愛い名無しさんのこと、他の男に見せられない」

「うっ…真琴くんはすぐそういうこと言うから、嫌です…」

「へぇ…?俺のこと、嫌い?ふぅん…名無しさんは俺のこと、嫌いだったんだ…そっかそっか、ごめんね?もう朝も迎えに来ないほうがいいね。」

「えっ、ちが…っ!!!真琴くん!?ごめんねそういう意味じゃ…あの、その…」


わざとオーバーに落ち込んでみせるととたんに焦りだす彼女。ああ、もう…可愛いなあ

「うー、あのね…あ、の、真琴くん…怒っちゃった…?」

「うん。怒った…傷ついた…」

ちらり、覗くと困り顔でこちらを見ている名無しさん。ねえ、そんな顔、俺以外には見せたらだめだよ?

「名無しさん、もうちょっと上手に謝ってくれたら許してあげる。」

すっと顔を近づけて額をごつんとぶつけてみる。近くで見る名無しさんの顔は真っ赤で、かわいくて

「真琴くん……っ、だいすきです」

これは…予想以上に

「ぷっ…!!名無しさん、ちょっと、可愛すぎる。あーもう、ぎゅってするけどいいよね?」

こらえきれずに正面から力加減もできないままぎゅううっと抱きしめるとぐえってなんとも色気のない声が聞こえたけど、それはスルーで。





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