黒バス
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「高尾くん・・・?」
目の前には何も知らない顔して、俺に笑顔を向ける彼女。
お前、本当にズルイよな。そんな顔されたら、今俺が考えてるようなことできねーじゃん
「も、もしかして高尾くん、怒ってる?私・・・何かしましたか?」
「・・・敬語、嫌っつったしょ?」
しまった。と明らかに表情を変える名無しさん。いつもなら可愛いから許すんだけど、今日はちょっとだけ心にゆとりがねーんだわ。ゴメン。
「なあ、なんで?俺、いつも言ってんじゃん。敬語も、名前も・・・全部全部。」
「ご、ごめんなさいっ、た、」
「もういい。ちょっと黙って」
こんな風に言うの初めてだからなのか、おびえた表情の彼女を初めて見た気がする。たまんないなぁなんて思っちゃう今日の俺は少し、歪んでいるようだ。
「んっ、むぅ・・・」
小さな口と触れ合った瞬間苦しそうに顔を歪める名無しさんが見える。でも
「今日は許してやんねー」
唇を離すとまた新たに言葉を零そうとする可愛らしい口を手で塞いで、逃げ道はなし。ほーら、真っ赤な顔も可愛いんだ・・・
「ねえ、俺と・・・」
イイことしよっか?
耳元で囁くそれは俺と彼女の甘い時間の始まりの合図
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