黒バス
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「緑間くん、緑間くん。」
「何なのだよ、名無しさん。」
「えへへーこっち向いて欲しかっただけ」
全く何なんだこの可愛い生き物は…。
ため息を隠すことなく、少しだけやかましい心臓にイライラしつつもやはり目の前の彼女が愛しいことには変わりはなくて。
「別に、そんなに構って欲しいのならさっさとこちらにくれば良いものを…」
「はわわわ…ダメ。それはダメ。心臓破裂しちゃうもん。」
「なんでそんなにはっきりと言うのだよ…」
所謂照れ屋な彼女はなかなかスキンシップを取りたがらない。元来俺だってそこまでべたべたとくっつく関係を望んでいるわけではなかったが、ここまではっきりと拒絶されるとさすがにへこんでしまうのだよ…今日はおは朝の占いが10位だったからなのか…いや、いつもそうだろうこいつの場合は。
いつもならばここで嫌がる彼女を引き寄せて照れる姿を見るのも楽しみだったりするのだが、未だに何やら唸りながらどうにか逃げようとしている名無しさんに背中を向けてみる。
俺だって、たまには寂しい時もあるのだよ
「緑間くん…?」
声を聞くだけで分かる。落ち込んだ声。きっと今頃は耳を垂らした犬のようにしょんぼりした顔をしているのだろう。
「し…真太郎くんっ、ごめんね…?」
ああもう、なんで彼女はこう…
「ズルイのだよ。馬鹿名無しさん」
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