黒バス

□SS4
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目に入れても痛くないくらいに可愛くて、オレにしてはあり得ないくらい甘やかしてるし、大切にしてるという自覚は充分にあったんだけど。
だから彼女がいいよって言うまでは絶対手を出さないと心に決めていたら気づけば○年(細かい年数は悲しくなるから言わないでおきたい)
同棲してから何度かそんな雰囲気になっても明らかにどうしようどうなるのかな怖いと顔に出ていておどおどとする彼女を見ていたらまぁ、我慢するしかないし。
オレってこんなに我慢できる子だったっけ〜ってすごく感心した。

「む、紫原くん、お願い…」

何度言っても直らない名字呼び。ちょっと寂しいけどこれもこれで彼女が望むのならいいかなぁと思っていた。
そんな恥ずかしがり屋の彼女がお願いと言って、今まで我慢させてごめんと突然抱きついてきたんだから、もうオレの理性も限界。

「名無しさんちん、マジで言ってんの…?オレ、さすがに途中で止める自信ねーんだけど。急にどしたの?」

「……青峰くんが、あり得ないって…紫原くんこのままだと、あの…」

「なーに。オレが浮気でもすんじゃねーかって?」

ビクッと肩を震わせて、泣きそうな顔をしてこちらを見つめてくる彼女を見るとどうやらビンゴだったらしい。むしろこれは現在進行形で浮気してるって言ったな〜峰ちんも余計なこというよね
抱きついてきた腕を捕まえて少しだけ距離を開くともうすぐ涙を溢しそうな瞳とぶつかる。
目尻にキスをして、頬を撫でながらもう一度視線を合わせるとすぐにそらされてしまう。

「あんね、もう何年もお預けくらっててさー今更浮気とかあり得ないし。むしろなに?名無しさんちんなんで峰ちんと話してんの?」

「桃井ちゃんとお話ししてたら偶然会ったの…でも、あのね私、紫原くんに我慢して欲しくない。気づかなくて、ごめんなさい。」

紫原くんの優しさに甘えすぎてたみたいってしゅんと肩を落とす名無しさんちんが愛しくてたまらない。毎日、毎時間、毎秒…どうしてこの子はこんなにオレを夢中にさせるのかなー

「ほ、ほらっ私もいい歳だしそろそろなに出し惜しみしてんだって話だしね。ただ、初めてだから、ちょっとだけ不安なだけだから…だから、紫原くん…」

「そんな不安そうな顔しながら言われても困るし。オレだって名無しさんちんに我慢してほしくない。とにかくオレは、今日はイヤ。」

なんかこれでなし崩しに初めてをもらっても、だから浮気しませんって話っぽくてヤだし。そもそも浮気なんてしねーのに。
ぶにーっとほっぺたを引っ張ると不服そうな顔でこっちを見てた名無しさんちんの表情がどんどん歪んできて

「え、待って。泣かないでよ…オレが名無しさんの涙苦手なの知ってるしょ…」

「〜っだ、て、むらさき、らく…イヤって…」

「だーかーらー"今日は"っつってんじゃん。もう次からは見逃してあげないかんね。本当によくなったら言ってよ。このまましたって峰ちんに唆されたみたいですっげぇ癪なんだけど。」

「イヤじゃ、ない…?」

「むしろそれに関しては大歓迎だしー」

えぐえぐと泣きながら抱きついてくる彼女に耐えうる理性を持っている自分に軽く感動すら覚えてくる。さすが絶対的防御。イージスの盾。

「オレね、名無しさんちんが大好きだからこのまんまでもまぁいいかなって思ってたんだー。けど、名無しさんちんがその気ならこれからは色々我慢しないかもだけどー?」

「うん…お手柔らかにお願いします…!」

はー…可愛すぎて困る恋人に強も明日も振り回され続けるんだろうなー。
ぎゅうって抱き締めて、一緒に眠りについたら良い夢が見れそうな予感がする夜

とりあえず明日は峰ちんをひねり潰すところから始めよう

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