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□ザンザス(復活)
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『テメェ…どこのファミリーだ』

どうしてこうなったのかは全く検討がつかない。ただ、疲れはてて眠りについて起きたらこんな状況だったのだから。そして出来れば日本語で話してほしい。目の前にいる彼は誰だろうか…だなんて考えられるゆとりもなくただただ締め付けられる首が苦しい。

「…っ、ぁ、」

『ふん』

つまらねえって声が聞こえたような気がした。滲む視界に黒い影とルビーのように紅い瞳だけが浮かんでいた。平凡だけれど悪くない人生だったとは思う。終わりがこんな形でなければ良かったのだけど。せめて一思いに殺してくれてありがとうとでも言うべきなんだろうか

**

「…っう、ん…」

ぱちり開けた瞼。開けた視界にはコンクリートの天井と鉄格子。状況が把握できなくて身体を動かしてみようとするとジャラッという重たい金属の音。身体がうまく動かない。
思考が上手く働かなくてじっと考えてみる。私は何をしていた?意識を失う直前のあの出来事は?
紅い瞳を思い出してしまって震える身体をかき抱くことも出来なくて歯がカチカチと音をたてる。

どうすればいい?逃げ出そうにも状況が掴めていない今の私にはリスクが高すぎるしなによりこんな手枷足枷がついた状態から逃げる術を持ち合わせた一般市民なんていない。もちろん私は一般市民だ。
おそらく放り投げられたであろう身体はぎしぎし音がなるくらいに全身が痛いし、手だって口許に持っていくこともできないくらい短い鎖で繋がれている。体勢を変えればもう少し動けるようになりそうだけれど現段階でそんな元気もない

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