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□濯也(AO!)2
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ふ、と意識が上昇する。不愉快な目覚めではないがどうして目が覚めたのだろうか原因は探すまでもなく目の前にあった。

「またか…」

呆れてしまうほどに彼女は俺の上で寝たがる。寝たがるといっても全身を乗せるわけではなく胸の辺りから腹にかけての間に上半身を乗せて寝るのだ。
共に布団に入る段階ではいつも慎ましやかに隣に転がる彼女を抱き寄せて、はにかんだ顔にキスをしてから眠りについているはずなのに夜中に気づけばこの体勢になってたことは数知れず。

「名無しさん、また身体痛くなるぞ?」

これで寝た次の朝には必ず首と肩を回しながら違和感を口にする彼女はこの現状には気づいていない。朝に弱い彼女を起こすのは俺の役目だから目を開けたときに目線がすぐ合うような体勢に直してから起こすのが常だった。一日の初めに最初に見るのが俺だといいだなんて笑ってしまうほどの独占欲

頬をつついても起きないしむしろ抱きつく力は増すばかり。寄せた手のひらにすり寄る顔は反則だと思う。審判よしっかりとペナルティをとってくれ。

「睦の腹でもあるまいしなんでこんなに好きなんだかな」

触れられていることは嬉しくても俺としては腕枕とかの方がよっぽど近くに彼女を感じられるけど

「重たいからやだ、なんてどの口が言ってるんだか…」

彼女が嫌がるのだからこちらは我慢しているというのに人が寝ている間にかんなことをやってのけるのはずるいと思う。

そんなちょっとした理不尽さを抱えながら明日また身体が痛いと首をかしげる彼女に真実を告げてみたらどんな顔をするのか、想像するだけで楽しいけれどこの時間がなくなるのは寂しいのでまだしばらくはこのまま黙っていようと思う深夜2時。


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