とうらぶ

□1
1ページ/2ページ

ただいま、という声が誰もいない部屋に響く。
デスクワークで凝り固まった肩を回しながら向かう先はパソコン前。家に帰ればまずテレビをつけるかパソコンをつけてしまうのはもはや寂しい一人暮らしの癖になっている。
Twitterを開くなり、ふらりとニュースを見てみたり、ご飯を食べながらすることではないことは重々承知の上でやっているのだけど何せ時間が惜しい。やりたいことと労働時間と睡眠時間のバランスが取れていない。一日最低8時間は寝たい。
今日一日を振り返って相変わらず代わり映えのしない日々を送っていることを再確認するとともに、愚痴をこぼしたくなるのもすっかり日課になってしまった。

「あ、やっとログインできた」

最近パソコンがやたらと重たい気がするなぁ…そろそろ変え時なのか。高かったんだからもう少し粘ってよねパソコンちゃん…
聞きなれたログインボイスをBGMに先ほど作ったオムライスをもくもくと食べる。うん、今日もご飯が美味しい。
今日の近侍は小狐丸。最近ずっと近侍を変えてない気がするけれど可愛いから仕方がない。大きいけれど可愛いから仕方がない。

「こぎつね、聞いてよ…今日はね…」

分かっている。何を話しかけても彼はランダムボイス2つ程度しか話してくれないことくらい。お姫様だっこの話か毛並みを整える話しかしてくれない…
でも私のストレス解消に付き合っていただきたいのです。いつもごめんねこぎちゃん
出陣・演練・遠征と一通りの日課を済ませて、ログアウト。仕事がある平日は本当に最低限の事しかできなくて今回のイベントもあきらめ気味だ。後藤君なんていなかった。

さあ、ログアウトしてしまえばあとは寝るだけだ。今日はいつもよりも疲れた気がするのですぐにでも眠りにつけそう。
おやすみなさい、返事のない空間にこぼした一言は誰かに届いただろうか。そうだ、週末には久しぶりに実家に帰ろう…疲れたときはそれが一番。ノートパソコン持って行ってみんなに留守番はさせないから、いつもより遊ぶ時間が減っても許してね。



***
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ