創造神の誕生〜vividな外伝〜
□Memory29 フラグは知らずうちにできる
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リョウSIDE
トウヤとロクサスの修行を終えた俺は久し振りに家に帰ってきた。なのは達と一緒に飯を食うのはほんとに久し振りだな。
「ただいま〜!」
「お帰りなさ〜い!」
「おか…えり、なさい……」
出迎えてくれたのはなのはとヴィヴィオの2人、ってヴィヴィオはかなりクタクタだな。
「ただいま。ヴィヴィオ、クタクタだな。ノーヴェに絞られたようだな」
「うん…かなりクタクタだよ〜」
「そろそろ晩ご飯だから一緒に食べよう?」
「ああ」
「やった〜!」
「よかったね」
「うん」
2人ともかなりご機嫌だな。そんじゃあ飯を食うか。テーブルに座る。ほぉ〜、こりゃ美味そうだな。
「今日はママ特製疲労回復、明日もがんばろう!メニュ〜」
「わーーいっ♪いただきまあーーすっ!」
「いただきます」
「はいどうぞー」
んぐっんぐっ……ん、美味っ。さすがはなのは。また美味しくなったな。
「どうかな?リョウ君」
「相変わらず美味い。さすがだな。また腕が上がったな」
「まあね。これでもリョウ君の妻達の中では一番料理が上手いから」
そういえばそうだったな。一番はなのはで二番ははやて。
「それ、魔力負荷をかけるバンドなんだっけ?」
「そうだよー。本気のスパーリングをやる時と眠る時以外はずっとつけてるようにって」
「へー」
「トウヤとロクサスもそれをつけてやってるぜ」
「そうなんだ。大変そうね。ママ達も昔似たような事やってたなー。当時はそんな便利なものなかったからレイジングハートが工夫してくれてね」
「あ、レイジングハートに聞いたよその話。リョウパパは今でも魔力負荷をつけてるんだよね?」
「ああ」
そうなんだよな。俺のはバサラ自身に魔力負荷をつけさせてるからな。まだバサラをつけてなかった時はロングジャケットコートがそれ代わりだったな。修行には欠かせないな。
「試合に向けて魔力を伸ばしていこうって作戦?」
「それだけじゃないけどね。特訓はまた別だから」
ほほぅ…それはなかなか。お楽しみってやつだな。
「なるほどねー。ヴィヴィオ、おかわりは?」
「大盛りでー!」
「リョウ君は?」
「ああ、もらおうか」
こういう団欒も久し振りだな。明日は休みで明後日からまた特訓だな。
ロクサスSIDE
今日はリョウさんとの特訓はないので軽くランニングをする事になった。少しでも体力をつけないとな。……ん?後ろから誰かが走ってきた。
誰だろう?
「ハッハッハッハッハッ……………」
後ろから走ってきた人物を見ると帽子付き長袖を着て深くかぶっていて顔はわからない。それどころか男か女かわからない。
「「……」」
並んで一緒に走る。会話もなくただ黙々とランニングする。……な、なにか話さないと。
「……」
アレ?なんか速度が上がった?まるでこんなもんかといった感じで見てきた。なんか腹が立った。というわけで!
「…!」
「フッ!」
俺は少し走る速度を上げて追い抜く。俺は鼻で笑う。それに深くかぶった奴が速度をまた上げる。また抜かれた!
ま、負けるものか!また速度を上げるぜ!
「くっくく…」
「ぐっぬぬぬ…」
なんか意地の張り合いになってるが負けるわけにはいかない!こっちにだって意地があるんだ!
……はぁっ…はぁっ…はぁっ…疲れた。少し、意地になり過ぎた。
「はぁっ…はぁっ…なかなか、やりますね」
「それは…こっちのセリフ。こっちはかなり鍛えているのに」
おやっ?この声色は…
「こっちもかなり鍛えているよ」
「そう、なんだ…」
気になるけど疲れてるから聞くに聞けないや。
「あ…」
その時、強い風が吹いた。その強い風にオレは腕で隠し目を瞑る。しばらくして風が止み、腕を下ろして目を開ける。
そこに目に映ったのは風で帽子が取れて素顔を晒された女子だった。見た目はオレより年上だろう。髪はツインテールをしている。
女子だったんだ。
「わっ、わっ…」
なんか帽子を被ろうとしてる。恥ずかしがり屋なのかな?
「なんで被ろうとするの?」
「あ、その…恥ずかしいのもあるけど、えと…」
もしかして有名人とかかな?でも、オレはそんなに世間に詳しくないからな。
「ね、ねぇ…君はなんでこんな所で走ってたの?」
「え?えと…あと数週間後に始まるインターミドルに参加するためにランニングを…」