創造神の誕生(前) ―U―
□第65話 キャスター陣営同盟!新たな仲間
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投影したのは少し歪な短剣。
「それは?」
「これは宝具、破壊すべき全ての符(ルールブレイカー)。この刃に触れたらあらゆる魔術を初期化する力を持つ。もちろん…サーヴァントとマスターの契約すら無効化できる。ただ…宝具には効かないが」
「ほう…それであの女狐との繋がれを絶ち、そなたの繋がりを…」
「そういう事だ」
どうする?仲間になるか?ならないか?
「…よかろう。そなたのサーヴァントにやろう」
「決まりだ。んじゃ、刺すぞ」
小次郎の体にルールブレイカーを刺す。刺した後、俺は魔力を小次郎にいれる。ッ!右の手の平に痛みが走る。見ると令呪がある。上手くいったな。
「ふむ…上手くいったな」
「ああ。さて…望み通り再戦をしようか。だが…ここは戦いづらいな。場所を変えるぞ」
「よかろう」
俺達は門を通過して庭に移動する。扉の前にマスターの葛木先生とキャスターがいる。
「まさか…突破するなんてね。何しているのアサシン!さっさと片付けなさい!」
「残念だが女狐。我はそなたのサーヴァントじゃなくなった」
「どういう事よ!」
気付かないのか?俺は右の手の平を見せる。
「それは!?」
「どうやら奴のサーヴァントになったようだな」
ん?葛木先生、知っていたのか。まあいい。
「この庭を少し借りるぜ。コイツと再戦するから」
「なんですって。ふざけな…」
「構わん。好きにしろ」
「宗一郎様!こいつらは敵なのです!始末しないと!」
「落ち着け。創神君は何か考えている。違うか?」
さすがは先生。めんどくさい話をしなくて済む。
「ああ。小次郎との再戦が終わったら少し話があるからな」
「…わかった。終わったら聞かせてもらおう」
「宗一郎様…わかりました」
さて…これでより。そんじゃあ…
「待たせたな小次郎。そんじゃあ…戦るか」
「うむ」
俺と小次郎は対峙する。刀を投影して構える。小次郎も構える。
「話は無し。いきなり始めるぜ」
「よかろう。我らに言葉は不要。ただ戦うのみ!」
…では。
「「いざ!尋常に勝負!」」
士郎SIDE
リョウとアサシン…いや、佐々木小次郎が互いに接近し…
「フッ!」
「シッ!」
刀がぶつかる。鍔競り合いをして、距離を取る。リョウが連続で斬撃を繰り出す。小次郎はギリギリで躱したり防いだりする。
小次郎は本当にアサシンか?あの剣技はセイバークラスだぞ!なんて奴だ。
「強い!あのアサシン!下手すれば我らと互角の強さですね」
「ああ…かなりの腕だ」
セイバー達も同じようだ。姉さんから聞いたが、本来アサシンは暗殺や偵察が得意なサーヴァントでセイバーやランサーのような正面から戦うタイプではないらしい。
でも…あいつは暗殺とか偵察が得意そうには見えない。どう見てもセイバーと同じタイプだ。どういう事だ?
「恐らくあのキャスターが違法で呼び寄せたのでしょうね。媒介もないみたいだし。じゃなきゃあ…説明がつかないわ」
「でもよ。違法だったらリョウだって…」
「リョウのはちゃんと媒介があるからよ」
あ…そうか。確か投影した物があったな。なるほど。そんな話の間も戦っている。そこには言葉は無く、ただ刀を振る音と剣劇音のみ。
それだけがこの寺を支配している。
「もう!何してるのよ!あんなマスターごとき倒せないなんて!大した事無いわねアサシンは!全く使えない!」
「違う」
「宗一郎様?」
「あのアサシンは強い。まさに剣豪に相応しい強さだ。ただ…創神君が強すぎるのだ。アサシンは本気をだしているのに対して創神君は全く本気をだしていない。恐らく20から25位しか引き出していないだろう」
「う、嘘ですよね。宗一郎様」
葛木先生、何か武術でも学んでいたのだろうか。先生の答えは正しい。リョウは全く本気をだしていない。少しずつだが、小次郎が息切れを始めた。
逆にリョウはまだまだ余裕って感じだ。リョウが一閃振り下ろしをするが、小次郎はバックステップで躱す。
「ふぅ…ふぅ…ふぅ…」
「…小次郎。そろそろ決めないか?」
「ふぅ…ふぅ…よかろう。次で決めよう。我が秘剣でな!」
小次郎が構えを取る。あれはまさか…リョウは刀を鞘に納めて、抜刀の構えを取る。
「む?抜刀術か…面白い!」
静かになる……木の葉が一枚地面に落ちる」
「秘剣・燕返し!」
「慙悔!」
「!何!?うおおお!」