創造神の誕生〜vividな外伝〜
□Memory28 大会に向けてトレーニング
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確かに…ヴィヴィオさんのお父様は他では見られないデバイスでしたね。
「あたしなりにモチーフやベースを考えてさ。ヴィヴィオやルールーに連絡してシュトゥラの歴史を調べて作ってみたんだ」
「そう…クラウス陛下って豹を飼ってたって話を聞いてな」
あ……はい。雪原豹はシュトゥラ地方では優秀な兵士でしたから。クラウスたちも大切にしていたした。
「そんなわけでシュトゥラの雪原豹をモチーフに作ってみたんだ!」
「え…動物型?」
「あんまり大きいと連れ歩くのが大変では…?」
雪原豹型のデバイスですか………か、カッコいいです。
「そのへんはノープロブレムだ!リインッ!」
「はいです!」
「アインハルト開けてみてー」
この箱に…ドキドキします。緊張しながゆっくり開けます。
(((―――――猫?)))
子猫…でしょうか?
「えええっ?なんだ今の3人の心の声!?」
「もしかしてイメージと違ってましたか?」
「いやいやいや!」
「いえそんな…」
確かにイメージと違いましたが。
「いや、ぬいぐるみ外装はちょっとしたおちゃめやったんやけど性能はちゃんと折り紙つきやでー?」
あ…動きました。
“にゃあ”
あ…可愛い…です。
「触れたげてアインハルト」
触れて抱きます。ああ…温かいんだ。ホントに生きてるみたいだ。
「こんなかわいらしい子を私が頂いてよろしいんでしょうか?」
「もちろん」
「アインハルトのために生み出した子ですから!」
「マスター認証がまだやから…よかったら名前つけたげてな」
「はい」
「認証は認証でやるですよ」
『わたしとプレシアも見させて貰ってよろしいかな?』
「ええでー」
『それじゃあ見せてもらうわ。覇王のデバイスなのだから』
庭に移動しましょう。そういえば。オリヴィエ聖王女殿下が特に気に入ってらしたつがいがいたっけ。気の早いオリヴィエ殿下はいつも子が生まれる前から名前を考えてくれていて。
クラウスとオリヴィエ殿下の最後の年…生まれてくることができなかった子がいて。あの豹の子にはなんて名を贈ろうとしていたんだっけ…?
思い出した。2人が好きだった物語の主人公。勇気を胸に諦めずに進む小さな英雄の名前。
「固体名称登録。あなたの名前は【アスティオン】。愛称(マスコットネーム)は【ティオ】」
“にゃあー♪”
「アスティオン。セットアップ」
セットアップします。あんまり変わってませんね。助かります。
「「「「「「おぉ〜〜〜っっ」」」」」」
「あれ?髪型が変わってねーか?」
「あ、そういえば」
「アスティオンが調整してくれたんですよ。きっと」
「そっちの方がいいよって」
「そうなんですか?」
“にゃー”
そうですか…ロクサスさんも喜んでくれるでしょうか?
「さて、ほんならちょこちょこっと調整とかしよか?」
お願いします。
ロクサスSIDE
リョウさんの特訓を終えて家に帰ってきた。今日も目茶苦茶ハードだったな。夕飯の前に風呂に入る。痛たた…傷が染みる〜。
汗も流して部屋着に着替えて夕飯を食べる。いっぱい食べるようになったな。訓練校の訓練なんかとは桁違いにキツい。
「ここ数日よく食べるようになったわね」
「ああ。ちょっとね」
「インターミドルに参加するのでしょ?」
「ああ」
「お兄ちゃんインターミドルに参加するの?」
「ああ」
姉貴とアミアにはすでに伝えてある。
「インターミドルかぁ。懐かしいわね」
「お姉ちゃんも参加してたよね」
「そうよ〜!」
実は姉貴も三年前まではインターミドルに参加していたんだよね。しかも…四年連続の次元最強の10代女子だったんだよね。
ここに元インターミドル参加者にして次元最強の10代女子がいる。リョウさんと戦ったらどっちが強いのかな?
「男子だろうと女子だろうと出場する選手は強敵揃いよ。特に上位選手ははっきりいって今のロクサスじゃかてないわよ」
「そうなんだ…でも、今特訓してるから」
「まあ…いい感じだしもしかしたら上位には食い込めそうね。アナタに特訓している師匠さんはかなりの優秀ね」
優秀…確かに優秀だけどかなり鬼で厳しいよ。何度もボロボロにされてるんだもん。
「アナタには絶対に都市本選に出場してほしいから。だから…アナタにこれをあげるわ」