創造神の誕生〜vividな外伝〜
□Memory29 フラグは知らずうちにできる
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「インターミドルに参加するんや」
「ああ。もしかして君も?」
「…うん」
「へぇ…」
この人も参加するんだ。どんなスタイルの持ち主なんだろう?興味があるな。
「実はオレの友達5人もインターミドルに参加するんだ。1人は男子だけど残り4人が女子なんだ。もしかしたら4人のうちの誰かとぶつかるのかな?」
「その友達も参加するんや」
「ああ」
姉貴に聞いたけど、参加者全ては高い実力者で特に入賞者は桁違いな選手ばかりだって。
「あ…ねぇ、それって魔力負荷バンド?」
「え?これ知ってるの?ああ。オレともう1人の先生がな。眠る時以外はずっとつけとけって言われて」
「そうなんや…」
(結構厳しい人なんやな)
なんか他愛のない会話をしてるな。それにしても、風が強いな。そのたんびにこの人は顔を隠そうと帽子を被るけど外れるんだよな。
「なんでいちいち顔を隠すんだよ」
「えっと…その…」
「もったいないな。結構可愛いのに」
「かわっ…////」
あれ?なんか顔が紅いよ?どうしたんだろ?
「そ、そういえば名前を聞いてなかったね」
「そうだったな。オレはロクサス・アルシュタート」
「私(ウチ)は【ジークリンデ・エミリア】よろしゅうな。ジークって呼んでな」
ジークリンデだからジークか。いい名だな。
「ジークか。うん覚えたよ!」
「私も覚えたで」
(それにしてもアルシュタート。どっかで聞いたことある名やな)
その後一緒にランニングをしてそろそろ別れる時がきた。
「あ、オレこっちだから」
「そうなんや。それじゃあまたな」
「今度会う時は会場かな」
「…会えるとええな」
「ああ…そうだな」
オレとジークは別れた。ジークか。大会に出てそうだな。帰ったら姉貴やデータで調べてみようかな?
ジークSIDE
今日はいつものランニングだったけど誰かいた。背丈からして年下だった。ロクサスという名でインターミドルに参加するそうや。
私の名前を聞いても初参加であんまり知らんようや。インターミドルに参加するんなら私の名を聞いたら緊張するはずなんやけどな。
帰ってからアルシュタートの名を調べたら驚いたで。まさかあのインターミドル最多優勝者と同じ名字やったなんて。
「ロクサス・アルシュタートか…」
“結構可愛いのに”
あ、あかん////あの言葉を思い出して顔が紅くなる。
“ピピピピピッ”
ひやあっ!び、びっくりしたで!ってメールか。誰からってヴィクターからか。わかっとる。インターミドルに参加するかどうかやろ。今年は参加するで。興味があることがあるから…
トウヤSIDE
リョウさんから魔力負荷バンドをつけて一週間が経った頃、今日はまどかさんと一緒に買い物に付き合う事になった。
「相変わらずすごいよぉ」
「そんなにすごいかな?こっちでは普通だから」
「そうなんだ。私は驚きの連続だよ。ウェヒヒ…」
まどかさん。その笑いはやめたほうがいいよ。少し怖いよ。それにしても…物が多い。
「まだ買うの?結構お金を使ったんだよ」
「うん。そうだね。そろそろ買うの止めようか」
よかった。いくら結構大金を持っているといっても限度があるよ。
「あ!アイスクリーム屋があるよ!一休みとして食べようよ!」
まどかさんの指差す所にアイスクリーム屋があった。まあ、熱かったからちょうどよかったな。僕とまどかさんはアイスクリームを食べる事にした。
「あむ…おいしい♪」
確かにおいしい。熱いから体が冷えていいな。それに一休みができてホッとする。
「…はぁ」
まどかさんがため息を吐いた。なんか悲しそうな、そんな表情だ。
「どうしたのですか?」
「えっ?あ、うん…」
話づらいのかな?それとも…話せないのかな?でも、困るな。もうかれこれ数週間の間柄なんだ。相談してもいいのに。
「なにか悩みでもあるの?よければ話してくれないかな?」
「…トウヤ君」
「こんな僕だけどさ。友達だもん」
まどかSIDE
友達…そう、だよね。私とトウヤ君は友達だよね。それにヴィヴィオちゃん達も。
「……友達を。私の世界にいる友達の事をね」
「あ…」
(そっか。まどかさんの友達は元の世界の、しかも魔法少女で)
トウヤ君は確か私の世界がアニメになってて知ってるんだよね。私は友達がほむらちゃんが心配しているのではないかと思ってる。