闇夜の友愛 ―第四次忍界大戦―(完)

□狭き子の視野を持つ者の終(しゅう)
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サスケは幻術以外が得意なのだ。特に剣術が強い。それでもユラムよりも幻術をうまく使いこなせている。何しろサスケは何でも使いこなせれるように均等にして鍛えてきた。
対してユラムは幻術以外を鍛えただけで、しかもイタチを殺して万華鏡写輪眼を手にしてからは鍛えるのをないがしろにしている。
力の差は歴然なのだ。

「さて…そろそろ遊びは終いにするか」

そう言うとサスケの雰囲気が変わった。さっきまでの無表情とは違い、殺気を放つ。ユラムはそれに気付き立ち上がる。

「…いいだろう。今度は幻ではなく現実で殺してやる!」

「…できたらな」

サスケは巻き物から刀を取り出して突っ立っている。対してユラムは腕にや衣服に付いてある口寄せの印に触れて忍具を取り出す。
ユラムはそのまま忍具をサスケに目掛けて投げまくる。サスケは鞘にしまったままの刀を振るい忍具を払い叩き落としていく。
ユラムはサスケがあっさり自身の手裏剣術を防いでるのを見て苛立ってきていく。

「この…恥さらし風情が!!」

ユラムはさらに荒い激しい手裏剣術を繰り出す。だが、サスケはそれでも軽々と防ぐ。サスケは防いでる時に一回回る。その時、ユラムは右肩に何かが刺さり痛み揺らいだ。

「ぐあっ!いったい…こ、これは!?」

ユラムの右肩に刺さっていたのはクナイだ。いったいどうやってユラムの右肩にクナイが刺さったのか?それはサスケが一回転した時にホルスターからクナイを素早くコンパクトに取り出し、投げたのだ。
そのあまりにも早い投げにユラムは写輪眼を持ってしても見切れなかったのだ。

「グッ!…キサマァァ!!ッ!?」

ユラムは右肩に刺さったクナイを抜き放り捨て、腰にある刀を抜いて構えると眼前にサスケが迫り飛び出していた。
サスケが簡単に敵が構えるのを待つ人間ではない。隙や追撃できるチャンスがあれば間髪を入れずに攻める。

「!」

「グッ!ぐわっ!」

サスケは斬撃を繰り出す。ユラムは刀で防ぐが、耐えきれずに吹っ飛ばされる。ユラムは地に叩き付けられるが、すぐに起き上がり高速で印を結ぶ。

「火遁・豪火球の術!!!」

ユラムは豪火球を放ってくるが、サスケは木を蹴って横に躱す。そのままサスケも超高速で印を結ぶ。

「火遁・鳳仙花!」

サスケは連続の火炎弾を放ってくる。ユラムは写輪眼で見切り、右に避ける。

「ククククッ!…見える!見えてるんだよ!貴様の動きなんか俺にははっきりと見え…ッ!?」

ユラムは自信たっぷりにそう言いながら躱していたが、横に顔を向けるとそこにはいつの間にかサスケがいて刀を振るおうとしていた。
サスケはユラムの動きをすでに読んでいて、瞬身でユラムが通る道の前に移動したのだ。

「遅い!」

「なっ!ガッハァッ!」

ユラムは刀で防御しようとしたが、サスケの斬撃が早くユラムの刀は弾かれユラムの手から離れた。サスケはそのまま後ろ左飛び蹴りでユラムの腹を蹴り飛ばす。
ユラムは木に激突して、腹を抑えて蹲る。

「て、てんめぇ!!…ハッ!」

「見える?なにがだ?」

だが、サスケは起き上がるまで待つほどお人好しではない。そのまま走り、ユラムに斬撃を繰り出す。ユラムは腹を押さえながら跳躍して躱す。ユラムは左手を集中させてチャクラを練る。
ユラムは千鳥鋭槍を刀のように変化させた。

「うおおおぉぉっ!!!」
ユラムは千鳥鋭槍で切り刻んでくるが、サスケは難なく軽々と躱していく。

「フンッ!」

「なっ!??」

「そらっ!」

「ぐばはぁっっ!」

サスケは刀にチャクラを込めてユラムの千鳥鋭槍を斬り消滅させた。驚愕しているユラムにサスケは容赦無く左拳でユラムの顔面を殴り飛ばす。
ユラムは顔面を押さえながら跳躍して木の枝に乗る。

「クッソォォォ!!なんでだ!なんで貴様のような恥さらしごときに!!」

「…」

「グゥゥ…!食らえ!!天照!!!」

ユラムはサスケの圧倒的強さに癇癪を起こす。自分が有利に立っているはずなのにまるで赤子のように足わられている。
自分のほうが強いはずなのにと喚き散らす。サスケはそんなユラムを無表情で見上げる。ユラムは見下ろしながら天照を発動させる。
サスケは天照を素早く躱す。ユラムはサスケを追うように目を動かしながら天照で狙う。

「当たれ!当たれ当たれ当たれぇぇぇ!!!」

ユラムは吠えながら天照でサスケを襲う。だが、サスケはそんな天照を走りながら躱しながら目を瞑る。

「…天照!」
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