闇夜の友愛 ―第四次忍界大戦―(完)

□狭き子の視野を持つ者の終(しゅう)
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サスケはユラムの足元、つまり枝を狙って天照を発動させた。

「なっっ!?」

ユラムはサスケが万華鏡写輪眼を、天照を使えるとは思ってもいなかった。ユラムは燃える黒い炎から逃れるように木の枝から離れる。
そんなユラムを逃さないとサスケは瞬身でユラムの眼前に移動する。

「ッ!?」

「遅い」

「クソがっ!」

サスケは刀でユラムを斬ろうとする。ユラムは千鳥鋭槍を出して防ごうとする。

「バ、バカな…?!」

「ツッ!」

「ガッ!」

だが、サスケの刀がユラムの千鳥鋭槍を折って消滅させた。サスケの刀は九喇嘛のチャクラで作った妖刀。だから相手のチャクラを消すのは容易い事なのだ。
驚いているユラムに容赦無くサスケは右後ろ回し蹴りで地に叩き落とした。ユラムは地に叩き落とされ、腹を押さえる。
サスケは倒れているユラムの近くに降り立ち、走る。トドメを刺そうと接近する。

「!」

その時、サスケは咄嗟に急停止してバックステップで下がる。同時に斜め左上から水の弾が飛んできた。サスケとユラムは同時に飛来してきた方角に顔を向ける。

「おいおい!大分苦戦してんじゃねえか?ユラム君よぉ!」

そこにいたのは、ユラムの同士2人。1人は液化能力という特異な能力を持つ『鬼灯水月』と普段は大人しく穏やかだが、戦いになれば殺人衝動がでる天秤の『重吾』。
2人は鉄の国の侍達により捕まり、独房に入れられていたが脱走した。その途中で水月が獲物を手に入れるのと同時にとある巻き物を手に入れたのだ。
それをユラムに見せるために急いで駆けてきたのだ。ユラムを見付けれたのは重吾の能力のおかげだ。そこで見た光景はユラムが押されている状況だ。
しかも、押しているのは同じうちは一族だから2人は驚いている。

「なんだ貴様らは?」

「俺は水月。このデカいのは重吾。ま、どうせすぐに死ぬ雑魚に名なんざ教えてもしょうがないわな」

「なに、しにきやがった!」

「連れないなユラム君。お前にとってもいい情報を手にいれたから急いで来たってのによ!」

「お前は君磨呂が認めた器。死なすわけにはいかない」

サスケは2人を知らない。理由は興味ないからだ。サスケにとっては自分達の道を邪魔する存在程度でしかない。
ユラムはなぜいるのか問うと、水月はいい情報を持ってきたと、重吾は君磨呂が認めたからだと答えた。

「貴様らの助けなどいらん!すっこんでいろ!こいつは俺が殺す!」

ユラムは邪魔だと返しながらサスケを睨む。

「そんな意地はってもしょうがないよ!雑魚相手に無駄な時間は割けないからね!」

「例えお前の言葉でも聞けない。お前を守る」

水月はやれやれっといった表情で切り返す。重吾は相変わらず君磨呂のためである。

「1対3だろうがなんだろうが構わん。貴様らのくだらん小話を聞く気はない。さっさと殺ろうか」
サスケはそんな3人を写輪眼で見ながら挑発する。それは傲慢からでもなく見下すわけでもない。ただ、ここで足止めさせられるわけにはいかないというだけの事なのだ。

「へぇ…言うねぇ。聞いたよ君の噂、うちはの面汚しだって?だったらさ!綺麗にしないとね!水遁・激流波の術!!」

水月は水遁を発動させる。強烈な激流がサスケを襲い飲み込む。水月は水化の術で水と同化して先回りをする。

「もらったあああ!!!」

水月は手に持った巨大な刀でサスケの体を真っ二つに斬った。

「!変わり身!」

しかし、サスケは丸太と変わり身をして水月の斬撃を躱す。ユラム達はサスケがどこに隠れたのか辺りを見渡す。

「!水月!後ろ斜め上だ!」

「!」

重吾の声に反応して水月は振り向く。それと同時にクナイ3本が水月目掛けて迫ってきていた。サスケは変わり身で水月の後ろ斜め上の木の枝に隠れていたのだ。
そこからクナイを投げたのだ。普通なら刺さって水月はダメージができるはずだが。

「無駄だよ!僕の水化の術の前ではね!」

水月の自らの体を液体へと変わる能力、術の前ではクナイはすり抜けるようになってしまう。

「そうか。だが…」

サスケは刀を抜いて水月目掛けて跳ぶ。

「やるかい!はああああ!!」

水月は太刀を振るう。サスケも刀を振るう。2人の獲物がぶつかる。

「いっ!?うっそ〜!」

だが、サスケの刀は水月の太刀をあっさり砕き折った。これは水月の太刀が業物でなかったのが原因だ。これがもしあの再不斬の首切り包丁ならば折れなかったであろう。

「クソッ!やっぱそこらへんにあったヤツじゃあなあ!」
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