闇夜の友愛 ―第四次忍界大戦―(完)

□狭き子の視野を持つ者の終(しゅう)
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水月はブツブツと愚痴を言ってるが、サスケは容赦無く水月に右の蹴りを浴びせる。

「ぐわあっ!」

サスケの蹴りが水月に直撃して蹴飛ばされて木に叩き付けられる。蹴り飛ばされ、木に叩き付けられた水月は疑問を感じた。
なぜ液化できる自分が液化もせずに蹴りをいれられたのかと。そんな水月の疑問に構う事なくサスケは木の枝に着地し、ホルスターから4本のクナイを取り出す。

「ぐあああっ!」
(ど、どういう事だよ!?なんでクナイが刺さるんだよ!?ッ!ま、まさか…)

サスケは4本のクナイをそのまま水月の両手と両足に目掛けて投げる。4本のクナイは水月の両手と両足に刺さる。
水月は食らいながらまたなぜ刺さったのか混乱するが、鉄の国での戦いの経験が生かされて気付いた。

「ま、まさか…このクナイ」

「…」

そう…このクナイには雷遁のチャクラが込められているのだ。いくら液化しても雷遁のチャクラで固定化にさせられる。
それでダメージが通るのだ。ちなみに蹴りは足にチャクラを込めれば蹴れるのだ。

「グッ…」

「死ね」

サスケはクナイを一本取り出して水月の額を狙って投げようとする。

「!」

「ヒャッハハ〜!!」

だが…その前に上から何かが迫ってきた。サスケはすぐに別の木の枝に跳び移るように避けた。何かは木の枝を殴り付ける。
その正体は両腕が異形に代わり、体の一部が黒ずんだ重吾だった。

「そいつが…呪印のオリジナルか」

「なかなか強えじゃねぇかぁ。殺しがいがあるぜぇぇ!!」

重吾には殺人衝動があり、それは本人でも止められないほどだ。重吾本人はこの衝動を恐れている。
だから大蛇丸に自ら捕まり実験体になったのだ。自らを衝動を抑えるために。

「ウラアアア!!!」

重吾は異形の腕の肘にある噴射口のようなところから噴射しながらサスケ目掛けて突っ込む。かなりの速度でサスケに迫り殴りつけてくる。

「!」

だが…サスケは瞬身で重吾の背後を取り、刀で斬りつけた。

「グッ!テメェッ!!」

「…意外と硬いな」

しかし、サスケの斬撃は重吾の背中を斬った傷ができただけ。普通なら、サスケの斬撃は敵を真っ二つにする。だが、重吾は呪印の能力のおかげで皮膚が硬くなって傷程度ですんだのだ。

「なかなかやるじゃねえか!そうでなきゃあ殺しがいがねぇ!」

重吾は振り向いて腕を振るい攻撃してくる。その重吾の2mはある身長に似合わず俊敏で苛烈な攻撃。

「ギャハハァァ!!!」

サスケはバックステップや跳躍で躱すが、背に木が当たり動きを限定させられた。

「ダラアアアア!!」

「隙…多すぎだ」

「ぐはっ!」

重吾は追い詰めた(つもりの)サスケ目掛けて強烈な右の拳を出す。木は抉れ、大きめの穴ができる。だが、サスケはあっさりと躱して左の拳で殴り飛ばした。
そんな光景に水月は驚愕していた。

(嘘だろ?あの重吾を翻弄しながら圧倒!アイツ…もしかしてとんでもなく強いんじゃあ…!)

「くっくくく…ハーッハッハッハッ!!いいぞ!いいぞオマエェーー!!!」

重吾はさらに歓喜の叫びを上げながら姿を変貌させていく。姿は完全に化け物そのもので体の色は黒ずんでいる。
いわゆる状態2になったのだ。もっとも、この姿はそのような名ではない。本来の名があるのだが、サスケは知らない。

「アッハハー!!」

(おいおい…完全になっちまったよ!ヤバい!絶対に僕を巻き込むよ!今の重吾には全て敵だからな!)

水月は焦りに焦りまくっていた。張り付け状態なので巻き込まれる可能性は大なのだ。そんな水月や姿が変貌した重吾など関係ないがごとく、サスケは左手で千鳥を発動させる。

「じっくり拝見する気はない。さっさと仕留める」

そう言い、サスケはかなりの速度で重吾に接近する。

(速っ!あの雷影と同等並の速さだ!)

「食らえ」

サスケは千鳥を重吾に食らわした。だが…重吾は先の鉄の国で雷影との戦いから横にずれて、さらに腕を盾のようにして防御した。
しかし、千鳥はその盾すら貫き重吾の右胸を貫いた。元々、雷遁系は突きの技と相性がよく千鳥はまさにその為の術である。
もっとも、その千鳥より強力な突きがあるのだがサスケ達にはわからない。

「…チッ!」

「ぐふっ!…死ねぇ!!」

重吾はサスケの左腕を掴み、逃さないようにする。重吾の背中の噴射口のような物が伸びて、サスケの周りを囲むようにして噴射口が大きく開き発射口のような物になった。

(…チャクラの砲撃って所か)
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