ハイスクールD×SKL

□第十七話 引き籠もりヴァンパイア
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「【停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)】?なるほど…それがこいつの…」

「そう、この子の神器の力。時を止めれる神器よ」

停止から動けるようになったリアスは知らない者達にギャスパーの神器と能力を教える。アーシアとゼノヴィアは自身の時が止まっていたなんて気付かなかった。
そんな時が止まる中、イッセーは鈍くなったが動けたことに全員驚愕した。なにしろギャスパーの神器はまともに動けるわけはないのだから。

「んな強力な神器を持ってても…これじゃあ宝の持ち腐れだな」

「嫌です〜〜!日光の中を歩くなんて嫌です〜〜!僕はダンボールの中がいいです〜!血も吸いたくありません〜〜!レバーとかも嫌いです〜〜!」

そんな強力な神器を持つが、ギャスパーが無意識に発動する上に嫌っている。元々ギャスパーはヴァンパイアと人間とのハーフ。
つまりデイウォーカー。だから神器を持てたのだ。だが、神器を扱えないことに加えて引き籠もりで血を嫌い女装好き。
イッセーでなくてもイライラは積もってしまう。イッセーはこれ大丈夫か?と不安になる。

「ふむ…要するにこの軟弱者を外に出せればいいのだな」

「ぎゃ〜〜〜!聖職者〜!浄化される〜!」

幸先不安なギャスパー克服計画が始まった。リアスは朱乃と木場と共に魔王の元に向かう。木場の神器の禁手になったことへの方向のために。そしてイッセー達は。

「ほら走れ!まずはその腐った根性を叩き直してやろう!デイウォーカーならこのくらい何ともないだろう」

「いぎゃ〜〜〜!!殺される〜〜!!」

「ギャー君。ニンニク食べる」

「いや〜〜〜!!小猫ちゃんが苛める〜〜!!」

ゼノヴィアはデュランダルを、小猫はニンニクを持ってギャスパーを追っかける。ギャスパーは必死こいて逃げる。イッセーは芝生で寝っころがりボ〜ッとしている。
ゼノヴィアと小猫はイキイキしながらギャスパーを追っかける。対象となったギャスパーは堪ったものではないが。アーシアはいつでも回復できるように準備している。

「やあ、アーシアちゃん。そ、それにイッセー」

「あ…えと、匙さんですよね」

「あ?なんかようか?」

そこに匙が現れた。手袋をしていてどうやら花壇の手入れでもしていたようだ。

「お、あれが噂の僧侶か。つかめっちゃ美少女じゃねえか!」

「あれは男だ。女装が趣味のな。しかも引き籠もり付き」

「な、なんだよそれ…誰得だよ…夢を返せよ」

ギャスパーが女装男子だと知ると匙は手を付き頭を垂れる。よほどショックだったようだ。

「んで…てめえは何時までここに居んだこのクソ総督」

「おいおい…人前ではせめてそのクソはやめろよ」

そこに近くの木の影から現れたのはアサゼル。イッセー以外の全員が警戒する。アサゼルは無視しながらキョロキョロと目を彷徨わせる。

「木場ならいねえぞ」

「なんだ残念だ。見たかったな。禁手となった神器を」

「それだけなら帰れ。ウザい」

「ヒドくねっ!まあいいや。居ねえなら帰るか。その前に、そこのデイウォーカー。随分レアな神器を持ってんじゃねえか。もっと集中してやってみな。そうすれば指定したものだけを止められるようになれるぞ。んでそこのお前」

「な、なんすか?」

「お前の神器でそいつに巻き付け。お前の神器【黒い龍脈(アブソーブション・ライン)】ならいい練習になる。それで神器の余分な力を吸い取らせながら発動させれば暴走も少なくなるだろう」

匙は自身の神器の力がそこまでできるとは思ってはなかったようだ。それはそうだ。相手は堕天使の総督にして神器の研究者である。詳しいのは当然である。

「忘れたか?そいつは五大龍王の一体だぞ。そんなチャチな能力なわけないだろ。もっと多用な使い方があるに決まってんだろ」

「そうだな。んじゃ…次に会うのは会談だな。楽しみにしてるぜ!」

アサゼルはそのまま去っていった。そこからアサゼルのアドバイス通りにやっていき、少しずつ改善されていき扱えるようになっていった。
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