ハイスクールD×SKL
□第十七話 引き籠もりヴァンパイア
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「もう嫌です〜〜!!もう外に出たくありません〜〜〜〜!!」
大分ギャスパーの神器に慣れた頃にまた、ギャスパーが引き籠もった。原因は依頼主を止めてしまったから。
「お願いギャスパー!出てきて!」
「もう嫌です〜〜!もう誰かを止めるなんて〜〜!こんな力なんかいらない〜〜!!」
もうこれはテコでも動きそうにない。リアスはため息を吐く。
「…ダメね。優斗ので自信がついたと思って…これじゃあ、失格ね。眷属の主として」
みんな困りどうしたらいいのかわからない中、イッセーだけはイライラしたまま扉を見つめる。いや、正確にいえば扉の向こうにいるギャスパーに向かって。
「てめえらは先に帰れ。ちっとこいつと話がしてえ」
「イッセー?」
「心配すんな。無理矢理引きずり出す気はねえ」
「…わかったわ。行きましょうみんな」
リアス達は部室へと戻る。リアスとアーシアだけは振り返りながら戻る。みんながいなくなったのを確認したイッセーは扉に尚近付く。
「おいギャスパー。てめえなんでそんな力を恐れる?なぜ引き籠もった?」
「…僕は、いらない子なんです」
そう言うとギャスパーはポツリポツリと自身のことを話始めた。ギャスパーは吸血鬼と人間のハーフ。元々吸血鬼は純粋種主義でハーフなどは見下し蔑む存在でしかない。
ギャスパーも蔑まれイジメにもあっていて、しかも強力な神器を持っている。時を止める能力を。制御できず暴走して勝手に止めてしまう。
それが原因でさらに疎まれて蔑まれていったので閉じ籠った。同じく疎まれていた友人のおかげで村から飛び出し逃げれたが、ヴァンパイアハンターにより殺される。
そこにリアスが発見して眷属にしたのだ。しかし、それが原因でさらに力が強まりますます塞ぎ込み引き籠もったのだ。
「だから僕はいらない子なんです。こんな力なんかいらない」
「…それはてめえが悪い。てめえが制御しようと思わなかったからだ」
イッセーはそんなギャスパーの過去を一蹴する。
「ひぅっ!」
「なんで戦おうとしなかったんだ。なんで制御しようとしなかったんだ。そもそも自分達種族が至高とかいう井の中の蛙どもはそうやって見下し蔑むもんだ。てめえが制御しようとしないからそうなったんだ」
「でも…制御なんて…」
「まずはそのネガティブ思考を持つのをやめろ。いいか。制御するということは意志が必要なんだ。制御しようという意志がな。それがないから努力してもコントロールできないんだ。だから暴走とかが起こんだ」
「意志…」
「俺にも神器がある。ブースデット・ギア、二天龍が一体赤龍帝ドライグが。最初は俺もなかなか制御できなかった。けどな、意志を持って努力していく内にこいつを使いこなせるようになった」
「…」
「わかった?てめえに足りねえのは意志だ。意志があれば神器は必ずお前に答えて使えるようになる。だから、逃げんな!逃げたってそいつはただてめえを苦しめるしかない!神器を持ったら死ぬのも逃げることもできない!だから前を向いて起って自分の足で歩くしないんだよ!わかったな!俺が言いたいのはそんだけだ」
イッセーは言いたいとこだけ言って立ち去ろうと背を向ける。イッセーの言葉を親身に聞いたギャスパーはなにか感じたのか少し真剣な表情になる。
「あ、あの!イッセー先輩!」
「あ?」
「ぼ、僕…もう少し頑張ってみます…明日から、明日からまた頑張ってみます〜〜!」
イッセーはギャスパーの意志を聞き、何も言わずに帰った。