創造神の誕生(前) ―T―
□第4話 修業とうちは兄弟
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ナルトが俺の家族になって数日が経った。ある日、ナルトが強くなりたいと言ってきた。理由はわかる。苛められているからだ。
そろそろ鍛えようと思ってたところだしちょうどいいな。今俺とナルトは家から離れた森の中で修業をする事にした。もちろんバレないために結界を張る。
「それじゃあさっそく修業を始めようか」
「オスッ!」
元気があってよろしい。しっかり鍛えてやるか。まずは体術とチャクラの使い方を、次に手裏剣やクナイの扱い方を教える事にした。
ナルトの修業を見て早数日が経った。ナルトの実力は下忍クラスの強さになった。やっぱり教える人がいたからだろう。原作ではちゃんと教える人がいないから落ちこぼれ扱いだったのだろう。
ナルトは忌み嫌われてたからな。里の連中に。里の連中め…10数年後には覚悟しろよ。さて、そろそろ真実を教えてやるか。ナルトには重要な事だからな。
ナルトに教えるのはかなりツラいがナルトのためだ。我慢する。
「強くなってきたなナルト君」
「リョウおにいちゃんのおかげだってばよ!」
「…ナルト君。君にとってかなりツラいがそろそろ真実を教えよう」
「しん、じつ?」
「ああ」
ナルトにとってはかなりツラい。心が少し痛いがここは鬼になって教える。
「じゃあ行くぞ」
「…いくってどこへ?」
「行けばわかる。ナルト君、目を閉じて」
「うん!」
ナルトは目を瞑る。俺はナルトの頭に手を乗せる。目を閉じ、チャクラを少し送ってナルトの精神世界に飛ぶ!
「ん!」
次の瞬間、目の前に奇妙な空間が現れた。まるで下水道のようなそれでいて禍々しい空間だ。俺の隣りにはナルトがいる。
「ど、どこ!?ここ!?」
「此所はナルト君の精神世界。ナルト君、もう一回言うけどこの先に君にとってかなりツラい現実がある。けどこれはナルト君、君にとってはとても重要な事がある。わかった?イヤなら引き換えしてもいい。まだ時間はある」
「…うん、行くよ!」
ナルトは少し考え…行くことに決めた。俺とナルトは少し進むと禍々しいチャクラを感じ咆哮が聞こえ、そこに行く。また少し進むと目の前に巨大な鉄格子があった。
鉄格子の奥に何かがいる。
「な…なに、これ?」
「これは…」
「小僧ゥゥ!こっちに来いィィ!」
「しゃ、しゃべったってば!?」
俺が説明する前に鉄格子の中にいる存在が喋った。それは3年程前に里を襲った九尾【九喇嘛】。正確には九尾を操ったとある男が悪いんだがな。
「コイツは九尾。3年程前に里を襲った化け物尾獣だ」
「ほう…キサマァ、詳しいなァァ!しかも我を尾獣と知っておるとは!」
「まぁな」
原作で知ったからな。
「リョウおにいちゃん、どうしてぼくのなかになんでさとをおそったばけものが?」
そりゃあそうだよな。自身の中にこんなのが居たらこうなるな。さて、どう説明するか?どれだけ話せばいいかわからないからな。
む?この気配は…
「…どうやら俺の代わりに説明してくれる人達が来たようだ。…そこにいるんだろ?出てきてくれないか?」
俺は背後の通路の曲がり角に声を掛ける。すると、そこから2人の男女が現れた。その人物は…
「凄いね。俺達に気付くなんてね」
「うん。大した人だ」
ナルトの両親の【波風ミナト】と【うずまきクシナ】だ。
「四代目ェェェ!!クシナァァァ!!キサマラァァァ!!何故此所にィィィ!!!」
その2人を見た九尾は鉄格子を叩き吠える。その形相は怒りに満ち溢れていた。
「よ、よんだいめ?」
「そうだよナルト。そして…」
「私達の子」
「え?……えぇぇ〜〜!!」
ナルトは突然の四代目の出現に驚く。それ以上にこの2人がナルトの両親だと知りさらに驚いた。当然だよな。四代目の出現だけでも驚きなのにまさか自分がその四代目の子だなんてな。
ナルトは顔を俯ける。
「どうして…」
「「?」」
「どうして!ぼくのなかにきゅうびをいれたんだってばよ!どうしてぼくのなかにとうさんとかあさんが!?どうして…」
「…ごめんねナルト。全ては私のせいで…」
「君のせいじゃないよクシナ。俺が油断したせいで…」
違う。悪いのは別だ。俺は知ってる悪いのは誰か。
「そんなのどうでもいいってばよ!……とうさん、かあさん…会いたかったってばよ!」
「「ナルト」」
泣くナルトを両親が抱き付く。いい親子愛だ。感動するな。