闇夜の友愛(完)
□悲劇…転機の始まり
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サスケ達3人が暗部に入り数日が経った。サスケ達3人は危険な任務をチームで組み、戦闘経験を積んでいく。初めて人を殺した時は多少の嘔吐感とそれ以上に自身の奥底にある高揚感に襲われた。
数回の任務をこなしている時、サスケに万華鏡写輪眼が開眼した。言い忘れていたが、サスケはすでに4歳の時に写輪眼を開眼していた。
サスケに万華鏡写輪眼が開眼した時を知ったイタチは驚愕した。もちろん、どうして?と聞いた。
「わからない。俺の写輪眼は異質なのかもしれない」
そう言い、イタチは納得させた。それからさらに数日が経ったある日。それは満月がよく見える日の夜だった。その日、うちは一族がある人物により滅亡した。
滅ぼした人物はイタチだ。イタチがうちは一族を滅ぼしたのだ。イタチは里から出ようとしていた。
「兄貴」
「!!…サスケ。それにナルトとヒナタ」
その時、暗部の任務を終え帰還する途中のサスケ達3人と出会った。
「イタチ。その血は?」
「……その血、うちは一族ですね」
イタチは3人に気付かれ困り果てた。しかし、どうせばれるのだ。なら、ばらす事を決意した。
「そうだ。俺はうちは一族を滅ぼした。里のために…俺は……」
「そうか。兄貴、それが兄貴の選んだ道なら俺は何も言わない」
「…すまない」
イタチは改めていい弟を持ったと自覚した。
「イタチさん。すみませんが貴女の目を見させてください」
「何?」
「もしかしたら、イタチさんの目が失明する可能性があります。そうならないようにわたしが貴女の目を治します」
「!!知っていたのか」
イタチはヒナタが自身の目が失明を始めたのを知っていたのを驚いた。
「知ったのはほんの偶然です。お願いです。治療させてください」
「しかし」
「心配しなくてもいいぜイタチ。ヒナタは医療忍術も学んでんだぜ。しかも腕は一流だ。絶対に治してくれる」
イタチはサスケを見る。サスケは頷く。
「…わかった。頼むヒナタ」
ヒナタは頷き、すぐさまイタチの両目の治療を開始する。数分後、治療完了した。
「どうですか?」
「……良好だ。今まで見えなかったがよく見える。感謝する」
イタチは感謝の礼を言い、里から去った。サスケ達3人はイタチを見送ったあと火影邸に任務報告を言いに行く。
部屋に入り、並んで立つ。
「火影様。任務報告しにきました」
「うむ。ご苦労じゃったな。………サスケよ」
「はい」
「実はのぉ…」
「兄貴がうちは一族を滅ぼした事ですか?」
「!!なんで知っておるのだ!?」
「帰還する途中に兄貴に会い聞きました」
「そうか」
火影は目を閉じる。火影はサスケがまさかイタチに賛同するのではないかとヒヤヒヤしている。しかし、サスケからはそんな感じが全然ない。
「心配するな。俺は別に兄貴をあとを追う気はない。俺には俺の道がある。だから、安心しろ」
「……うむ。分かったのじゃ。ナルトとヒナタはどうじゃ?」
火影はナルトとヒナタにも聞く。一応、イタチはナルトとヒナタの師なのだ。
「安心してくれじいちゃん。俺はヒナタがいればいいんだ。だから行く気はない」
「わたしも同じです。ナルト君がここに残るのなら残ります」
「…分かったのじゃ」
火影はホッとした表情になる。
「ふん。相変わらず甘いなヒルゼン」
扉の方から声が聞こえた。3人は振り向くと、1人の老人が立っていた。
「ダンゾウ…」
【志村ダンゾウ】…暗部を育成する組織『根』の創設者で凄腕の忍。かつては三代目と火影を賭けて対立した事がある。
しかも同期。サスケは何故ダンゾウがここにいるのか分からなかった。
「ダンゾウ、何しにきたのじゃ」
「ふん。イタチがあのあとどうなったか気になってな」
「…イタチならすでに里から去ったわ。この子達が目撃しとる」
ダンゾウがサスケ達3人を見る。今見たという感じで。
「ほうっ、まさかイタチの弟と九尾の小僧、おまけに日向の落ち零れか」
(ふむ、情報とはかなり違うようだな。見たところ九尾の小僧は九尾をコントロールしとるようだし、日向の落ち零れもかなりの手だれだな)
ダンゾウの見下した目で見ているが、内心では、3人の強さに気付く。サスケ達3人もダンゾウの奥底にある目に気付いた。
「何故こいつらがここにいる。それこその格好…暗部か。なるほど、最近小さいながら強い暗部が3人ほど現れたと聞いたが、まさかこいつらだとはな」
サスケ達3人はダンゾウの言葉を無視する。