闇夜の友愛(完)
□原作開始
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闇が包む木の葉の森、その中に数人の忍が木の枝を飛び乗りながら駆けていた。額宛ては草隠れのマーク、彼等は草隠れの忍。
彼等の目的はわからない。おそらく里の旧家もしくは名家の子でも誘拐しにきたのだろう。数人の忍が緊張しながら森を駆ける。
「「「「!!」」」」
その時、何かが飛来する音が聞こえた。何事かと後ろを振り向くと後ろにいた2人の忍がいなくなっていた。下を見ると頭にクナイが刺さっており、血が流れて死んでいた。
残った忍は慌てて警戒する。すると、後ろから何かが木の枝に着地する音が聞こえる。振り向くと1人の暗部が立っていた。
背丈から見ると大人だが、顔に付けた面は異様だった。
「鬼の面…だと!?」
そう…この暗部の面は鬼の面だ。普通は十二支の面をつけるのだが、草隠れの忍は何故と考える前にこの暗部の正体に気付いた。
「ま、まさか。貴様が最近木の葉を守る鬼の暗部か!」
1人の忍がそう言うと残りの忍達は警戒レベルをあげる。
「だが、相手はたった1人!こっちはまだ4人いるんだ!数ではこっちが勝ってるんだ!奴を殺るぞ!」
草の忍達はクナイを持ち身構える。鬼の暗部の手には刀が持たれていた。鬼の暗部が消えた。草の忍達は周りを見渡す。
後ろに振り向くとそこに鬼の暗部がいた。草の忍達は構えるが何かがずれた音が聞こえる。真ん中にいた忍が右を向くと右にいた忍の首がずれ、顔が胴体から離れ落ち、切れた部分から血が噴出す。
忍達は驚愕した。いつ斬ったのかわからなかった。また鬼の暗部が消え、今度は左の忍の前に現れ胴体を真っ二つに切り裂く。
さらに隣りにいた忍も袈裟斬りで斬り伏せる。最後の1人は逃げようとするが、鬼の暗部の手裏剣が両腕と両足に刺さり動けなくされる。
懇願をする間もなく最後の1人も唐竹で斬られる。鬼の暗部は刀を振るい血を拭い鞘に戻す。そのまま、鬼の暗部は地面に降り夜空を見上げる。
その時、後ろから2人の忍が現れる。この2人も暗部だ。面は1人は狐、もう1人は狼。
「終わったか」
「ああ…サスケ」
鬼の面を外し、月の光で素顔を晒し出す。長い黒髪の青年、そう…彼は変化したサスケ。
「暗部の時は黒鬼(こくき)だ。本名を言うなナルト。ヒナタも止めろよ(
狐の面の暗部が面を外す。金髪の青年に変化したナルト。狼の面の暗部も面を外す。長い黒髪で白目の美女に変化したヒナタ。
彼等は暗部として活動さている。
「悪い悪い。それから俺は金狐(きんこ)だ」
「私は銀姫(ぎんき)よサスケ君」
「そっちが先に言ったのだろうが。まあいい、そっちも終わったのならこっちも終わらすか……天照!」
サスケは万華鏡写輪眼『天照』で死体となった忍達を燃やす。消し炭となったのを確認して、サスケ達は帰還する。
「それにしても明日だね」
「明日?…ああ、アカデミー卒業試験か」
「どうするのだろうな。もしかしたら合格しろと言われるんじゃねえだろうな」
「言われるだろいな。一応旧家と名家の護衛だからな。旧家はともかく名家の子を守るのは嫌だがな」
「俺も嫌だぞ」
「私も」
「まあ、ぐだくだ言ってもしょうがない。帰還したら聞けばいいだけの話さ。俺はさっさと帰って寝たい。だからさっさと帰還するぞ」
「ああ」
「はい」
サスケ達は闇の木の葉の中に溶け込んだ。
あれから六年が経った。今日はアカデミー卒業試験。教室にいるアカデミー生徒は緊張した面持ちでイスに座って友達と話をしたりしている。
そこに後ろの扉が開く。
「ようおはよう」
「おはようございます」
「よう!渦風に波巻。今日も一緒に登校か」
教室に入ってきたのはナルトとヒナタだ。もちろん偽名でナルトは渦風ナル、ヒナタは波巻ヒナと名乗る。実は火影から旧家と名家の護衛の任務を受けており、アカデミーに入学する事になった。
表で死んだ事になっているナルトとヒナタはさすがに無理だと思った。しかし、火影の口から出た言葉はとんでもない事だった。
それは、2人に偽名を付けアカデミー生に成り済ませっ言ってきたのだ。さすがにナルトとヒナタは呆れ果てるが、任務のためと断る理由もなかったため承諾した。
ちなみに偽名の名字はナルトの父と母の名字を使っている。
「ナル。ヒナ」
「サスケ」
「サスケ君」
教室の窓際で最後尾の席にいるサスケがナルトとヒナタを呼ぶ。ナルトとヒナタはサスケのいる席の隣りに座る。窓際からサスケ、ナルト、ヒナタという順に座る。
「結局合格しなきゃならなくなったな」