闇夜の友愛(完)

□第一試験突破
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「よし!これから第10問目を出題する!!」

45分が経ち、10問目が出題される。

「…と、その前に一つ。最終問題についてのちょっとしたルールの追加をさせてもらう」

突然のルール追加、誰もが緊張して聞こうとする。その時、扉からトイレに行っていた【カンクロウ】が戻ってきた。
監視員と一緒に。

「フ…強運だな。お人形遊びがムダにならずにすんだなァ?」

(コイツ…カラスを見破ってやがる)

(あからさますぎなんだよ)

イビキだけでなくサスケ達3人も気付いていた。

「まあいい、座れ」

カンクロウは座る前にこっそり【テマリ】に解答を書いてある紙を渡す。

「では説明しよう。これは…絶望的なルールだ」

絶望的なルール…それはいったいなんなのか?

「まず…お前らにはこの第10問目の試験に“受ける”か“受けない”かのどちらかを選んでもらう」

「え…選ぶって…!もし第10問目の問題を受けなかったらどうなるの!?」

「受けないを選べば、その時点でその者の持ち点は0となる。つまり失格!もちろん同班の2名も道連れ失格だ」

そこまで聞いて下忍の誰もが文句を言い、叫ぶ。

「…そして、もう一つのルール」

(まだあるの!?いい加減にしてよ!!)

「うけるを選び、正解できなかった場合…その者については今後永久に中忍試験の受験資格を剥奪する!!」

永久に受験資格を剥奪…その言葉に誰もが吠え叫び慌てる。黙ってた下忍も叫んでいた下忍も驚愕し、いきなりのルールに愕然とする。

「そ、そんなバカなルールがあるかぁ!!現にここには中忍試験を何度か受験している奴だっているはずだ!!」

「クク…ククククッ!」

イビキが笑う。

「運が悪いんだよ。お前らは、今年はこのオレがルールだ。その代わり引き返す道も与えてるじゃねーか」

『『『え?』』』

「自信のない奴は大人しく受けないを選んで…来年も再来年も受験したらいい」

なんて甘い言葉いや、毒なんだろう。受けるを選び間違えれば中忍試験の受験資格を永久に剥奪されずっと下忍のまま、逆に受けないを選べば失格だが中忍になれるチャンスはある。
どっちに転んでも分が悪い。並の神経では選べない。

「では始めよう。この10問目…受けない者は手を挙げろ。番号確認後、ここから出てもらう」

静寂が包み込む。誰も手を挙げない。受けるか受けないか…どっちに運んでも分が悪い、それがグルグル頭の中で回ってるのだ。
約数分が経過した。

「お、俺は…止める!受けない!」

1人が手を挙げ受けないを選ぶ。それからどんどん下忍が1人1人手を挙げていく。失格者が増える。

(それにしてもアホだろ。受験資格永久剥奪って試験官ができるわけないだろ)

(これは脅しだな。こんなんで迷うようじゃたかがしれてる)

(だいたいなんで中忍になりたいのよ。そんなの階級という名の飾り。それに気付かないようじゃね)

サスケ達3人は別に中忍には興味がない。それに試験官の考えも読めたので早く終わらないかといった感じで待つ。

「なめんじゃねェーー!!!オレは逃げねーぞォ!!」

トモルが机を叩き吠える。

「受けてやるゥ!!もし一生下忍になったって、意地でも火影になってやるから別にいいィ!!怖くなんかねーぞォ!!」

その言葉に誰もがびっくりした。特に同期の下忍と同じ班の2人は自分達の事を考えないトモルに呆れ果てる。

「もう一度訊く。人生を賭けた選択だ。やめるなら今だぞ」

「まっすぐ自分の言葉は曲げねえ…オレの、忍道だァ!!」

トモルの忍道に、サスケ達3人を除いた下忍達の不安は一斉にふきとんだ。

(フン、面白いガキだ。こいつらの不安をあっという間に蹴散らしやがった。……78名か。予想以上に残ったか。これ以上粘っても、同じだな)

イビキが監視員達を見回す。監視員も同じ気持ちのようだ。

「いい決意だ。では…ここに残った全員は…」

残った下忍達は唾を飲み込む。サスケ達3人は見守る。

「第一試験、合格を申し渡す!!!」

合格…その言葉に残った下忍達はぼーぜん、驚愕、あっけ、そんな表情が取り巻く。

「ちょ、ちょっとどういうことですか!?いきなり合格なんて!10もんむの問題は!?」

「そんなものは初めから無いよ。言ってみればさっきの二択が10問目だな」

イビキがニカッと笑う。コワもての顔が笑う…シュールだ。だれもが前の9問は無断だと思った。約1名が声に出して言う。
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