闇夜の友愛 ―第四次忍界大戦―(完)

□切なさと憎しみと悲しさ
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ヒナタはヒザシと柔拳で静かに、なれど激しい戦いを繰り広げていた。

「ハッ!」

「ヌッ!」

ヒザシはヒナタの猛攻に防戦一方だった。ヒザシはヒナタの事は幼き頃しか知らない。ヒザシの知ってるヒナタといえばまだまだ力も弱く、兄ヒアシの言う事を聞く気弱な娘というイメージであった。
しかし今、目の前にいるヒナタは強くそして美しい女性へとなっていた。あの兄から素晴らしい娘が産まれたのだ。生命の神秘をヒザシは見た。

「これで、どうです!」

「む!」
(見事な攻撃だ。今の一撃なら敵は死んでいた。しかし…)

ヒナタの痛烈な一撃がヒザシの心臓に直撃し、ヒザシは吹っ飛び倒れる。しかし、すぐに立ち上がる。それはそうだ。何故ならヒザシは死者なのだ。
しかも穢土転生なので例え粉々にしても蘇生してしまう。全くもって厄介にして卑怯な禁術である。

「やはりそう簡単には倒せませんか」

「ヒナタ様。そのような一撃では今のわたしは倒せません。封印する以外に勝ち目はありません」

「そのようですね。厄介なことこの上ない」

ヒナタは少し思案してると、ヒザシがある構えを取る。それは八卦六十四掌の構えである。それに気付いたヒナタも同じ構えを取る。

「「八卦六十四掌!!」」

「「八卦二掌…四掌…八掌…十六掌…三十二掌…六十四掌!!」」

ヒナタとヒザシは柔拳の奥義、八卦六十四掌を突く。まるで鏡合わせのようにぶつかりあう。ヒナタはともかく、ヒザシはヒナタが八卦六十四掌を放った事に驚かなかった。
ヒザシはそのまま自身のオリジナル奥義で決めようとする。

「柔掌・獅圧掌(しあつしょう)!!」

ヒザシの両手にチャクラで具現化した獅子ができる。ヒザシはそのまま突っ込み強烈な突きを繰り出す。ヒナタは上空に跳んで躱す。

「柔掌・龍牙掌(りゅうがしょう)!!」

ヒナタは両手を牙のように構えるとチャクラが具現化して龍ができる。そしてヒナタの龍牙掌とヒザシの獅圧掌がぶつかり衝撃を起こす。
しかし、ヒナタは徐々に押していく。ヒナタの龍牙掌のほうが威力があるようだ。

(なんて威力だ。これは回天をしても無意味だな)

力負けしてヒザシは龍牙掌を食らい、地面に叩き付けられる。地面は抉れ、ひび割れがおきる。その威力はヒザシの腹が抉れ穴が開いてることから物語れている。

「…」

だが、ヒザシは無言のまま再生し立ち上がる。やはり、普通の倒し方ではこの不死は倒せない。封印しか方法がないようだ。
ヒナタは巻き物から愛用の鉈を取り出す。ヒナタの鉈もサスケの刀と同じような方法で穢土転生を倒せる。

「これで貴方を倒します」

ヒナタは鉈を構えて白眼でヒザシを睨む。ヒザシは操られた白眼でヒナタを睨む。ヒザシが先制攻撃をしてくる。
ヒナタはヒザシの柔拳を全て紙一重で躱す。だが、徐々に後退していき、ヒナタの背中は木にぶつかる。ヒザシは渾身の一撃の右の柔拳を繰り出す。

「(ここ!)ハァァァッ!!」

ヒナタは鉈を振るい、ヒザシの右手を切り落とした。右手を切り落とされたヒザシは無表情で左手の柔拳を繰り出すが、そのまま回転しながら左手も切り落とす。
ヒナタは切り返しでヒザシの両足を膝ごと斬る。

「たああぁぁっ!!」

そして、ヒナタは振り下ろしでヒザシを縦に真っ二つに切り裂く。その瞬間ヒザシの意識は元に戻った。

「お見事です…ヒナタ…様……これで、わたしは安らか…に……眠れます」

「逝ってくださいヒザシ叔父さん。貴方に会えてよかったです」

ヒザシは再生されずそのまま停止した。完全に機能が停止したようだ。ヒナタはそんなヒザシを見下ろしてからナルト達の後を追った。







ヒナタがヒザシを圧倒していた頃、ナルトは自身に恨みを持つ忍達と交戦していた。実力は圧倒的にナルトが有利であった。
いくら敵が有利な忍とはいえナルトは暗部としてかなりの修羅場を乗り越えてきたのだ。このような戦いも珍しくない。
ただ、一つだけ違いがあった。それは敵が穢土転生で蘇った忍達なのだ。普通の攻撃ではしなないのだ。

「この化け狐がああぁぁ!!」

「死にやがれぇぇ!!」

「うるせえよ!!」

ナルトは太刀で敵を斬って斬って斬っていく。時には螺旋丸などを使ってぶっ飛ばしていく。敵もやられるだけでなく反撃していくが、飛雷神の術で避けていく。
実は戦闘する前に密かにそこらへんに術式を施しているクナイを投げておいといたのだ。

「くそったれが!逃げ足が速い!」

「どんなマジックを使いやがったんだ!」
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