闇夜の友愛 ―第四次忍界大戦―(完)

□死者を操りし者と仮面の者
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ユラムを殺したサスケは少し苛ついていた。

(…くそっ!こんな奴にムダにチャクラを消費してしまった!速攻で片付けれた上に楽勝だったのに奴の傲慢な物言いについカッとなってしまった。感情的になるなど…俺もまだまだ未熟。余計な時間を食ってしまった)

どうやらユラムとの戦いが時間とチャクラをかけすぎて自身にイラついていたようだ。サスケはイラつきを抑えて水月と重吾を睨む。
2人は震えるが、重吾は水月に刺さっているクナイを外して共にサスケの前に降り立つ。

「い、いやー!アンタ強いね!ユラムなんか目じゃないって感じ!」

(あのユラムより遥かに強い。情報とは大違いだった。おそらく隠していたのだろう)

水月は媚びを売るような態度を取る。重吾はサスケの圧倒的強さが隠されていた事に納得した。

「…つまらん世辞はいらん。それより貴様ら、今すぐ殺されたいか?」

「!!いえいえいえ!じ、実は貴方様にとってもいいご情報が!」

サスケは2人に殺気を放ちながら殺そうとするが、水月が鉄の国で見付け手に入れた巻き物をサスケに渡す。
サスケは無言で水月から巻き物を取り、中身を見る。そこにはとんでもない事が書かれていた。

「…これは!」

「どうです!こんなの今は必要ないかもしれないけど後々に必要でしょ?だから…」

サスケは黙々と読みながら2人を見る。水月は愛想よい笑顔をしながら判決を待つ。

「…………いいだろう。お前達を生かしてやろう。木の葉の里の前で隠れていろ。この戦いが終わったら…」

「わあってるよ。牢になんでも構わないよ。これ以上この外の世界にいるのはゴメンだからな!」

水月は自ら自首する事を言った。どうやら雷影やサスケの強さにあって命がいくつあっても足りないと気付いたようだ。
水月は確かに殺しは大好きだが、それは敵が圧倒的に弱い時。強者と戦うのは嫌いなのだ。

「そういや重吾。お前は?」

「俺も行こう。ユラムは器でもなんでもなかった。だから…それにこの男なら、抑えれるかもしれない」

重吾は元々、戦うのは好きではない。しかし、彼の中にある殺人衝動が抑えられなくなるのでその衝動を抑えてくれたユラムに付いていっただけなのだ。
それ以上に君磨呂の代わりの器であるユラムの見極めが本来の目的であった。しかし、そのユラムが器ではないと知ったのでそのユラムよりも強いサスケに従う事にしたのだ。

「…わかった。なら2人とも木の葉の近くに隠れて待っていろ。この戦争が終わったらじっくり話を聞いてやる。聞き終わったら一応牢に入れてやるがその後は脱走するなり好きにしろ」

サスケはそれだけ言うと背を向ける。サスケの言葉に水月と重吾は驚く。普通は自分達を実験体にするとか拷問をするとかとにかく非道行為を行うものだと思っていた。
しかし、サスケからでた言葉はただ話を聞いてその後ただ牢に入れるだけ。しかも脱走を許すなど並の神経では答えないはず。

「おいおいいいのかよ?そんな事言って。俺達、本当は木の葉に行かずにどっかにトンズラしちゃうかもよ?」

「それにもし隠れていて同行したとしても嘘の答えを出して挙げ句脱走するかもしれないぞ」

「…貴様らがどうしようと知った事じゃない。それに脱走しようとも木の葉を潰そうと考えててもな。俺にはどうでもいい事だ」

サスケはあまりにも里の忍とは思えない発言に水月と重吾はただただ呆然とするしかない。だが、たった一つだけ分かった事がある。
それはサスケがあまりにも異常だという事がだ。

「話が終わったならさっさと行きやがれ。死にたくなければな」

「あ、ああ…」

「…わかった」

水月と重吾はここからさっさと移動して離れる。それを見送ったサスケはすぐに移動を開始し枝を跳び駆ける。







かなりの距離を駆けたサスケは後方から三つの気配を感じた。

「「「サスケ!」」」

後方からやってきたのはナルト達だった。サスケはすぐさま3人が本人だとわかり速度を落とし一緒に並ぶ。

「速かったな。それに合流していたとは」

「俺とヒナタは早く片付いてな。イタチとは早く合流できたんだ」

「それで今、お前と合流できたわけだ」

「なるほど」

ナルトとイタチの答えにサスケは納得と頷いた。

「それにしてもサスケ、どうしたんだ?こんな所をまだ駆けていたとは。お前ならもっと先に行ってると思ってたんだがな」

イタチの質問にサスケはさっきまでの出来事を話した。ナルトとヒナタはしかめっ面に、イタチは何とも言い難い表情になった。
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