闇夜の友愛 ―第四次忍界大戦―(完)

□日向一族滅亡
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戦争から丸二日、サスケ達は大蛇丸を連れて水月と重吾と合流して隠れ家で過ごす。その間にサスケは十尾を少しずつコントロールしていき、通常の姿に戻ることができるようになった。
二日経った時、サスケ達は牢屋に向かった。門番を写輪眼で眠らせてある牢にいる人物に会いにいく。

「!!てめえは…!」

「お前が香燐か」

牢にいたのは香燐。ユラムの裏切りにより木の葉に保護になって情報を手に入れるために牢にいた。もう意味はなさないが。

「よ、香燐!」

「水月!それに重吾!お、大蛇丸様!!」

「久し振りね香燐」

「な、なんで大蛇丸様が…ユラムに殺されたと!」

「私は不滅よ。そう簡単に死なないわ。私の話はどうでもいいわ」

「……貴様は釈放される。出ろ」

サスケは牢の鍵を外して扉を開ける。香燐はゆっくりと出てくる。

「なんで…そ、そうだ水月!ユラムは!ユラムはどうしたんだ!」

「……ユラムは死んだよ」

「え?」

「そこにいるサスケに殺されたのさ」

「ユラムが…」

香燐はふらつきながら座り込む。

「俺達はユラムのことを何も理解していなかった。奴は価値なんかなかったのさ」

「奴は器ではなかった。君磨呂の代わりでもなかった。そこにいるサスケこそが器だった」

「サスケ君はユラムという道化を使って私やいろんな者達から逃れていたのよ。彼は私の見込み違いすぎたわ」

香燐の耳にはもう何も聞いてなかった。代わりにサスケを睨むが、すぐに竦んでしまう。サスケの眼とチャクラに畏縮してしまった。

「さて…そろそろ彼女も連れていって行きましょう。あまり長居はできないでしょ」

「…ああわかった」

サスケ達は香燐を連れて牢屋から出る。香燐を連れてきたのはどうせ逃がすならということらしい。サスケ達は里の端にあるうずまき一族の神社に入る。
そこは少しボロボロだが被害は全くなかった。壁には沢山の鬼の面があった。大蛇丸は蛇を使って目当ての面を見つけ取る。
そして今度はうちはの神社に向かう。そこは神社は崩壊していた。サスケは石段の写輪眼の模様に写輪眼を見せる。
すると石段が動き、隠し階段が現れる。

「すげぇ…こんな仕掛けなのか」

「ここはうちは一族でも秘密の場所だからな」

「いくぞ」

サスケ達隠し階段から降りて地下室に向かう。そこは広く、前方の壁近くには文字が書かれた石碑がある。

「最適の部屋ね。では…始めましょう」

大蛇丸はポーチから瓶を取り出す。そこには五つの小さな塊が入っている。

「それに…」

「えぇ…これに捕まえた白ゼツが入ってるわ」

大蛇丸は瓶を割ると5人の白ゼツが現れた。1人は水月が捕らえ、残りは大蛇丸が縛る。

「いくわよ!」

大蛇丸は神社で取った面を付ける。すると四象封印に出てくる死神が現れた。死神は自らの腹を裂き、そこから5人の魂が現れる。
その一つ、大蛇丸の魂は大蛇丸に付く。

「(腕が…戻ったわ。これで…)穢土転生!!今よ水月!」

「あいよ!」

4人の白ゼツは穢土転生の生贄になる。残りの1人は大蛇丸に取り付かれてしまう。

「さあ…出てくるわよ。先代の火影達が」

穢土転生で現れたのは…先代の火影達であった。

「ここは…」

「貴様…前に俺と兄者を穢土転生させた」

「大蛇丸!なぜ貴様が!ワシらは封印されたはず!」

「私を侮り過ぎですよ猿飛先生。うずまき一族の研究くらいしてもおかしくないですよ」

三代目火影は大蛇丸を睨む。初代は頭を抱えてうなる。二代目と四代目はただ黙って見守るのみ。

「大蛇丸。貴様らの無駄話なんか聞く気はない。さっさとこっちの用件を済ませさせろ」

「!サスケか!なぜ大蛇丸と!」

「わけあって私と同行しています。安心してください。彼らは私の仲間ではありません」

「イタチもいるのか。生きておったか。よかった。そして…」

「ナルト?ナルトなのか!」

「おう!こうして、面として会うのは初めてだな。父ちゃん」

四代目はナルトを見て驚くが、父と言われて喜ぶ。穢土転生だが、これがナルトと四代目…親子の対面であった。
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