創造神の誕生(後) ―StS〜ネギま―
□なのは編 第45話 最初の難問
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スバルSIDE
ギン姉が機動六課に来て、ヴィヴィオが複数ママ発言をして次の日。午後の教導が終わった時に私とギン姉はリョウさんに呼ばれて整備室に向かっている。
「いったい何の用なのかな?」
「わからない。だけど重要な話かもしれないわよ」
そうだよね。私とギン姉はどんな話をするのかと重いながら整備室に向かう。思えばリョウさんっていろいろとすごいなぁ。
スカリエッティと仲間になったり、ヴィヴィオにパパと呼ばれたり、なのはさん達から好意を持たれたり。昨日のヴィヴィオからの複数ママ発言には驚いちゃったな。
なのはさん達は納得してアピールっていうかスキンシップが増えたもんね。それにギン姉もなぜ参加してる。なんだか自分も呼ばれたいって感じかな?
ティアは言われると赤くなるけど満更じゃないって感じ。そんな光景を見て私はなぜか胸が痛んだし不愉快だと思った。
なんでだろう?
「…バル。スバル」
「え?」
「どうしたのスバル?考え事?」
「……うん。ちょっとね」
ギン姉に呼ばれてハッとする。そうこう考えてるうちに整備室に到着する。
「「失礼します!」」
入るとそこにいたのはマリエルさんとリョウさん。マリエルさんはわかる。元々私とギン姉の整備をしていた人だから。
だけどリョウさんは?なんで?
「ど、どうしてリョウさんがここに?」
「ああ。実はお前達と話をな。ま、座んな」
話?話ってなんだろう?とりあえず私とギン姉は椅子に座る。なんだかマリエルさんは真剣な表情だ。いつもの朗らかな感じがしない。
リョウさんはいつも通りだけど。
「あの…話っていったいなんですか?」
「ん?まあ…ちょっとな。スバルにギンガ」
「「はい?」」
リョウさんの口からでた言葉は私とギン姉を。
「いつまで隠すつもりだ?自身の体の秘密を」
驚愕させるに十分だったからだ。
ギンガSIDE
どうして?これだけが私とスバルの頭の中に反芻する言葉だった。どうやって知ったのか?どうして知ってるのか?全く分からなかった。
「なぜ知ってるのかって顔だな。知ってて当然だろうが。スカリエッティと仲間だし何よりお前達2人の母親、つまりクイントを助けたのは他ならない俺だぞ」
そういえばそうでしたね。でも、どうして知っていたのですか?
「さっきも言ったがクイントからやスカリエッティから聞いた。お前達も戦闘機人。しかもクイントの細胞で造られたな。スカリエッティからも聞いたがおそらく別の人間がお前達を造ったようだな」
そう…リョウさんが言ったけど私とスバルは戦闘機人。スカリエッティとは別の人間に造られた。お母さんの細胞で。
私とスバルはお母さんに助けられてそしてお母さんとお父さんの子どもになった。私とスバルはほんとの子どもではない。
養子に近い。だけどお母さんとお父さんはそんな私とスバルを育ててくれた。私とスバルは戦闘機人としてではなく1人の人間として。
だから…怖い。もし、私とスバルが戦闘機人だって知られれば誰もが私とスバルを恐れる。遠ざけられる。最悪、実験材料にされるかもしれない。
だから、誰にも言わなかった。………けど、ここ(機動六課)に来て少し戸惑っている。スカリエッティの存在と他の戦闘機人、ナンバーズの存在のせいで。
スカリエッティは私とスバルを見ても何も言わなかったけど昨日、整備をしてくれた。おかげで前より調子がいい。
ナンバーズに至ってはまるでさも当たり前のように自分達を誇ってすらいる。世間知らずなのもあるかもしれないけどそれでも嫌がる素振りもなくただありのままの自分自身でいる。
そんな姿を見てるとなんだか怖がっている私とスバルが馬鹿らしくなる。だけど、やはり怖い。今の私とスバルは人から遠ざかられる怖さとどうでもいいという二つの心境が行ったり来たりしてる。
「バカじゃねえのかお前ら」
「「はい?」
え?いきなりバカ発言されちゃったんですけど。
「そもそもこの六課にお前らの正体が分かって怖がり遠ざかる奴がいると思うか?考えても見ろ。お前ら並に辛い思いをしてる奴だって複数いるぞ」
た、確かに。フェイトさんやエリオ君はプロジェクトFのクローン。はやてさん達は闇の書じゃなくて夜天の書の主と守護騎士。
キャロちゃんはアルザスの竜使いでその強大な力のせいで追放。この人達は辛い思いをしている。だけど、みんなそれがわかっててなお明るい。
乗り越えてるからだと私は思う。
「ま、要するに深く考えるなってことだ。どんな生まれ方をしようが誰もお前らを見捨てないし離さない」