創造神の誕生(後) ―StS〜ネギま―
□なのは編 第48話 転生神完全消滅
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なのはSIDE
私達はほとんどの局員を戦闘不能にした。あとは…あの銀色のゆりかごの内部にいる人達のみ。そこに空に巨大なモニターが現れたの。
映るのはリョウ君と、台座に座る1人の男なの。単髪の金でオッドアイ。服は豪華そうな物。どう見ても偉そうで首魁だっていうのが分かる。
「キサマが転生神の大将か」
「その通り…我が名は“黄皇(おうおう)アルティトラ”!転生神の長にしてこの全世界の神となる者だ!」
なんかまためんどくさい相手なの。けど、モニター越しでもわかるの。強い…これまでの誰よりも。
「まさか、我(オレ)の二大幹部を倒すとはな。なかなかの強さだ。褒めてやろう」
「…」
「無視か。ふんっ…まあいい。キサマに問おう。なぜ…その力を我のために転生神のために使わない。キサマと我は同じであろう」
同じ?どういうこと?フェイトちゃん達も同じ気持ちだ。
「キサマの力も自らの欲のために振るうものだ。なればこそ!我のために振るい、世界をものにしたいと思わぬか!」
な、なんなのこの男?この人も自らの欲望のために振るうなんて!しかも親玉なのかさらにヒドいの。そんな人間に世界が支配されたら…
そんなのだめ!リョウ君が耳を貸すとは思えないけど、聞いちゃだめ!
「さあ…こちらにこい。そして我のために…」
「くだらん」
「…なんだと?」
「確かに俺は自分の欲で力を振るってるさ。だがな…俺はただ、守りたい奴等を守るためという欲のために振るう。正義や悪なんか関係ない。ただ、俺の守りたい奴等のために振るう。それだけさ」
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「リョウ(君)(さん)…」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
「くだらん…実にくだらん!力を持つなら、支配こそ一番の欲だろ!金も!地位も!女も!正義も!腐った管理局を滅ぼす!そして我らが新たな全世界の神となるのだ!」
「お前の話をもう聞く気はない。ただ一つ、キサマを潰して終わりにしてやる」
「いいだろう…キサマは我の手で殺してやろう!我には絶対にかなわないと骨の髄まで叩き込んでやる!」
そう言うと男は手から大剣を出したけど、その剣が異常だった。大きすぎる!人丈より2倍以上の大きい大剣を!
なんなの…あの剣は。男は剣を握ってゆっくりと立ち上がるの。
「さあ…始めようか!我が正義に悪であるキサマを根絶やしてやろう!」
「正義とか悪とか言わないほうがいいぞ。器が小さく見えるぞ」
そう言いながらリョウ君はバサラを大剣にして肩に担ぐの。
「さあ…殺ろうか!」
とうとう始まるの。ミッドを、世界を賭けた最後の戦いが!
リョウSIDE
「ヌゥウンッ!!」
奴は異様にデカい大剣を振るってきやがる。俺は紙一重で躱す。その場で振るっても届く距離か。しかも振るう速度もなかなか速い。
「初撃を躱すか。なかなか…楽しめそうだ」
それは同意だな。久し振りに楽しめるかな?強いことを期待するぜ。奴は近付き剣を振るう。けど…結構速い。
「フンッ!ダァッ!ツアッ!ウオオッ!」
奴は連続の斬撃を繰り出すが、躱す躱す躱す。一撃一撃が重く速いけど見切れない速度ではない。アクロバットに、小さく跳躍しながら、しゃがんでと最小限の動きで避ける。
「この…!ちょこまかと!」
「……よっ!確かに速い。ただ、それだけだ」
「舐めるな!ヌオオオオオッッ!!!」
ん、奴の刀身に眩い光か…これはヤバいな。俺は放たれる直前に素早く跳躍する。
「ヌアアアッ!!」
大剣を振るうと強烈な光の奔流が奴の前方数kmをなぎ払う。光が消えると崩壊したような跡ができる。かなりの高威力の技だな。
伊達に首領をしてるわけではないようだな。けど…
「避けたか。よく躱せたな。だがッ!」
避けた俺に剣撃を繰り出してくる。かなりの攻撃をしてくるけど…もう見切れた。動きも、実力も。
「ちょこまかと!だが…攻撃してこないところを見るとできないようだな!このまま攻めて仕留めてやる!ウオオオオッ!!」
「はぁ…フッ!」
俺はバサラを左手に持ち替えて横の床に突き刺す。
「なんだ?それで止めるつもりか?バカめ!その剣ごと…キサマを真っ二つにしてくれるうううっっ!!」
奴は侮りすぎだ。奴の剣と俺の剣がぶつかる。普通なら俺の剣は折られて俺も斬られるだろう。普通なら…な。