創造神の誕生(後) ―StS〜ネギま―
□ネギま編 第52話 王女アリカ
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ガトウSIDE
我々紅き翼も今では憧れの的となった。特にナギとリョウに至ってはファンクラブがあるほど。それにクルトは詠春に、タカミチはリョウに師事してもらっている。
正確には2人はリョウに。クルトは詠春の神鳴流に何かを見出し教えを乞うている。もっとも詠春は断りをしている。
理由を聞いたところ、まだまだ自分は未熟者だから教えるのは無理とのこと。確かにと納得した。それはリョウの存在だ。
タカミチは俺を師事してたけどいつの間にかリョウを師事している。それはそうだよな。いつの間にか無音拳を見ただけで修得されてさらに他の技も覚えられた。
その上、俺よりも威力があるときた。普通はヘコむ。そのためにタカミチもクルトもリョウに師事し始めた。
リョウは厳しいがしっかりと教えるから2人とも成長してるんだよな。師匠としてかなり悲しいな。そんなことより、今日はナギ達を連れてある人物に合わせる。
「こんなところになんのようだよガトウ!」
「どうみてもお偉いさんだろうな。まともな偉いさんだといいんだがな」
「安心しろ。普通なら絶対にお目にかかれない人物と対面するんだ」
聞いた時は俺も驚いたからな。まさかのあの方だとは…
「失礼します」
「うむ」
入るとまず目に映るのは最高評議会の議長様。詠春は緊張した面持ちなのに他は普段通り。全く…少し礼儀や作法をな。
「まじで偉いさん、いや…アンタじゃないな。ほんとの主は」
「さすがじゃな。そうじゃ…こちらの方じゃ」
手を向けた方向に顔を向けるとそこには金髪のとても美しい女性がいた。目はキツめだけど…このお方が我々に依頼をしたお方。
「“アリカ・アナルキア・エンテオフュシア”じゃ」
「オスティア家の王族か。こらまたとんでもない人が」
「アンタが俺の依頼主か!オレはナギ・スプリングフィールド!サウザンドマスターだ!よろしくな!」
ナ、ナギ!いきなり無礼な態度を!その瞬間、ナギの頬にアリカ様がビンタした。
「触るな!無礼者!」
さすがのナギも茫然としてる。けどナギの性格ならヤバい!このままだと…………アレ?何もしない?
「ほほぅ…見ましたかラカンさん」
「見た見た。これはなんとも面白い…!」
「いやはや…いいネタが見つかりましたな」
リョウとラカンがニヤニヤしながらコソコソ話している。私達も自己紹介をしなくては、けど…みんな無視された。
あとはリョウだけだな。
「創神リョウだ」
「…お前が【完璧魔剣士(パーフェクトダークナイト)】か。噂には聞いていたが、なんじゃ普通じゃな」
「ぐぼはあああっっ!」
あ…リョウが吐血した。そういやリョウって二つ名を嫌っていたな。アリカ様は不思議がってたな。ま、俺はリョウの弱まった姿を見れただけよしとするかな。