ハイスクールD×SKL

□プロローグ
1ページ/3ページ

どこかの荒野。空は青くなく澱んだ色。砂塵により周りがよく見えない。そこによく凝らせばまるで盗賊のようなアジトの山の砦が見える。
そこに数人の人…いや、その姿は人ならざる者。彼らはそのアジトの見回りをしていた。

「全く…頭、早く終わってくれねぇかなぁ。おこぼれを早くちょうだいしたいぜ!」

「そう言うなよ。あと数分もすれば良い思いができるんだぜ」

「まあな」

砦から少し離れた場所で数人の存在が互いに喋りながら辺りを警備していた。そこに1人の存在があるものを見付けた。

「ん?……なんだありゃあ?」

1人の存在がそのあるものを見付けると他の存在達もその見付けた方向にジッと目を凝らして見る。
そこに見えたのはなにかがこちらに向かって歩いている人影だった。その姿を確認すると存在達は疑問と困惑とその後にあざ笑いが起こった。
なにしろその姿は背丈は高校生くらいでずた袋のようなローブを身に包んでいるのだから。その存在は存在達に近付いてきて1人の存在の前で止まった。

「よぅよぅそこのゴミ!どうやってこんな場所に来やがった!」

「………はぐれ悪魔、デイトゥーガの根城はここであってるか?」

ずた袋から声が発せられた。見た目通りのまだ若い男の声。しかし、そのずた袋がここの場所を言った瞬間に存在達否、悪魔達が大笑いをした。

「なんだ?てめえここがどこだかわかってそんな事を言ってんのか?てめえみてえなひ弱な人間風情がよ!」

「もしかして俺達の仲間になりてえのか?だったら無駄だぜ!俺達は悪魔しか受け付けてねぇんだ!てめえみてえな野郎なんざ要らねえんだよ!ま、女だったら大歓迎だがな!」

悪魔達はずた袋を罵倒し嘲笑う。ずた袋は何にも発しない。代わりに右腕をゆっくりと上げた。

「あん?んだ?」

するとその右手に巨大な太刀が現れて柄を掴んだ。その太刀はあまりにも異様だった。手に持った人物の身長くらいはあるであろうデカさ。
峰の部分にはまるで鮫の歯のようなギザギザがある。そんな太刀を手前にいる悪魔1人に振り下ろした。

「っ??!」

右肩からばっくりと裂かれて手前にいた悪魔はあっさりと絶命した。このあっけない光景に悪魔達は呆然としていたがすぐに意識を戻してずた袋を睨み付ける。

「て、てめえっ…!!」

「……ずおりゃあああ!!!」

悪魔達はずた袋に攻撃しようと魔力を溜める。だが、深く被ったフードからなんとか見える口元には笑みを浮かべ、柄を両手で握りその場で思いっきり横なぎに振るう。
悪魔達には届かないはずが代わりに衝撃波が飛び全ての悪魔を屠った。たった、たった一撃で全滅したのだ。
ずた袋は巨大な太刀を肩に担ぎ、笑みを浮かべながら根城を見つめる。

「ちったぁ楽しませろよ」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ