創造神の誕生(前) ―U―
□第47話 同盟計画
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リョウSIDE
奥州に着き、俺は伊達邸の一室にて政宗と小十郎と共にいる。今後の話をするためだ。
「さて…リョウ。どうやって覇王軍と魔王軍を潰す気だ?何か考えがあるんだろう?」
「ああ…もちろん考えてある」
「なら聞かせてもらおうか。アンタの考えとやらを」
多分、普通は考えない…いや考えるだろうが伊達の流儀に反する。しかし…これしか方法がない。
「…伊達軍だけでは魔王軍はおろか覇王軍に挑むのも無謀だ。おそらく武田軍に上杉軍も同じだろう。兵士の数も何もかもが差が大きい。今のままでは敗北は確実。なら…その何もかもを増やせばいい」
「おいおめえ…まさか」
さすがは小十郎…伊達軍の軍師だ。アンタの考え通りだ。
「そう…一時的に同盟を組む!これしかない」
「同盟だ!?」
「ああ」
「確かに、それは考えていた。しかしそれは…」
「伊達の流儀に反するだろ?確かにわかっている。しかし…覇王と魔王を倒すにはこれしかない」
小十郎は顎を擦りながら思考を張り巡らせる。
「……確かにそれしかないな。だが…どうやって同盟を知らせるんだ?」
「もちろん考えている。ま…見ててくれ」
俺は立ち…印を組む。
「影分身の術!」
「「!!?」」
俺は分身体5人を出す。政宗と小十郎は驚いた表情になった。
「分身体の俺に同盟を伝えるんだ」
「リョウ。お前…忍か?」
あ…そういや説明してなかったな。俺は2人に説明する。
・・・説明中・・・
「…なるほどな」
「すげえなお前!」
「ありがとよ」
「んで?何処と同盟を結ぶんだ?」
結ぶ軍は決まっている。武田と上杉と北条と徳川の四つの軍だ。
「武田と上杉と北条はわかるが…なんで徳川を?」
「徳川と組むのは徳川なら、必ず俺達の為に動いてくれると思うからだ」
「だが…徳川はかつては魔王軍の、今は覇王軍のものだ。そう簡単には動かんだろう」
「もちろん…今のままでは徳川は今のままだ」
「What?どういう事だ?」
徳川自身が弱い。何故弱いかわかるか?徳川軍の数は確かに多いのだがな。
「…【本多忠勝】か」
正解だ小十郎。そう…戦国最強本多忠勝の存在が【徳川家康】は強くならないんだ。
「なるほど。アンタの考えが読めたぜ。徳川家康を強くしようっつ腹だな」
その通りだ。徳川家康が強くなれば…きっと俺達に味方になってくれる筈だ。
「なるほど。ところで…1人多いんだが…」
「ああ。もう1人は前田軍には中立になってもらうように頼みにな」
「なに?」
理由はある。前田軍は一応魔王軍の配下だが…魔王軍のやり方には疑問を抱いている筈だ。だから、中立としてほしいんだ」
「なるほどな」
そんじゃあ…さっそく行ってきてくれ。分身体達が各軍の場所に跳ぶ。
「んで…まだあるんだろ?」
「ああ…これだけじゃあ足りない。だから、瀬戸海の長曾我部や最南端の島津とも同盟を結ぶ」
「なるほど…」
島津には分身体にさせるにして…長曾我部に関しては。
「政宗」
「Ah?」
「長曾我部に会いに行かねえか?」
「なに?」
「リョウ!どういうことだ!?」
理由を話す。俺はまず覇王軍を潰す。だが…ここからだと遠い。そこで大阪城に近い瀬戸海の長曾我部に会いに行くのは都合がいい。それに…
「それに?」
「政宗…アンタと長曾我部はとても似ている」
「Ha?」
原作で知っているが政宗と長曾我部は…いや、伊達軍と長曾我部軍はとても似ている。政宗なら長曾我部ともウマが合う上に同盟も簡単に結べる筈だ。
どうだ?長曾我部に会いに行かねえか?
「なりませんぞ政宗様!この小十郎…そのようなこと認めるわけには…」
「OK!リョウ…その長曾我部に会いに行こうぜ!」
「政宗様!!」
「いいじゃねえか小十郎。こんなチャンス…滅多にねえぜ」
「なりません!第一、奥州はどうするつもりですか!?」
「その辺は考えている小十郎。俺は忍術が使えるんだ。つまり…」
俺は分身体2人を出し…
「「変化の術!」」
「ひゅ〜!」
「なっ!?」
分身体2人に政宗と小十郎に変化させた。
「これでいいだろう小十郎」
「…は〜、仕方ない。ただし…この小十郎も付いて行きますよ!」
当然だろう。何の為に小十郎に変化させたんだ。小十郎にも付いてきてもらうためだ。