創造神の誕生(前) ―U―
□第53話 覇王の咆哮
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慶次SIDE
「秀吉…こうして会うのは久し振りだな」
「慶…まさか貴様がここにいるとはな。して…何しにきた。我らの軍門に下る気になったか?」
「そんなんじゃねえよ。ただ…秀吉、お前に聞きたい事があってな」
「聞きたい事だと?なんだ…」
そう…俺はどうしても聞きたい事がある。お前は…
「どうして…ねねを、ねねを殺したんだ!?」
「…」
「答えろ秀吉!どうしてねねを殺した!あんなに惚れてたのに!どうして…」
「…ふん。何かと思えば…そんな下らない事を…」
「下らない事!?なんで!?そんな言葉がでるんだ!」
「ふん!知れた事を…我に弱さは不要!弱さは罪だ。弱さがあったら何もできない…何も果たせない!」
「だから…殺したのか。そんな事の為にねねを殺したのか!」
「そうだ。殺した!我が覇道の為!我の手で…殺した!」
ああ…そうか。わかったよ…秀吉…
「お前…怖いんだな」
「なに?」
「守れないから…怖いんだな。だから、殺したんだな。怖いから…全部壊すんだな!怖いから、捨てるんだな!!」
「だまれ…」
「てめえは怖いから何もかもを捨て殺したんだ!!」
「だまれ!!」
「俺は決めた!てめえは…俺が必ずぶっ飛ばす!!」
「やってみよ!慶次!我が過去よ!!」
「うおおぉ!!」
「ぬおおお!!」
俺の長刀と秀吉の拳がぶつかる!俺は連続攻撃で攻撃する。だが…秀吉はそれを防御する。秀吉は重い一撃を仕掛ける。
だが俺は、そんな攻撃を躱す!秀吉の重い一撃を躱して、逆に俺の攻撃を当てる。あいつの攻撃は確かに強烈だが…当たらなければどうという事はない!
逆にあいつは俺の攻撃を食らう!
「ぐぬっ!」
「どうした秀吉!お前の欲した力ってのはそんなもんか!?」
「ふん…貴様の攻撃など、蚊に刺さったのと同じだ。そんな攻撃では…我を倒す事など不可能だ!」
「そうかい!……なら、これはどうだ!!」
俺は長刀と朱槍を合体させた技、一目惚れを使う!こいつの威力かな!!
「うおおおぉぉ!!!」
「ぬおおおぉぉ!!!」
俺の一目惚れと秀吉の拳がぶつかる!だが…俺は弾かれ長刀を手放した。秀吉も多少弾かれたが…俺ほどじゃない。
「ぐっ…」
「うううん!ふん…わかったか。貴様では、我に勝つ事など不可能だと!」
「ぐっ…まただ!うおおお!!」
「ぐっ!」
「でらああ!」
「ぐふっ!」
「おおおお!!オラァ!!」
俺は駆けて、秀吉を殴った。さらに…脇腹に左のボディブロー、腹に連続で拳を叩き込む!ついでとばかりに秀吉の顔面に飛び回し蹴りを食らわした。
「…それで終わりか?」
「くっ…うおおお!!」
「ふん!」
なっ!?俺の拳を防がれた!…ぐふっ!
「ヌウン!!」
「ガハァッ!…ぐあっ!」
腹に拳を食らった…さらに顔を掴まれ…床に叩き付けられる。そして、ぶ造作に投げ付けられた。く、くそっ…体が動かない。
まだ…俺は…秀吉を…ぶっ飛…ばし、て…いない。
「さらばだ!我が過去よ!」
ちく…しょう。だが…そこに、あいつが現れた。そう…リョウに鍛えられた男、徳川軍総大将…家康が。
リョウSIDE
俺は今…半兵衞と戦っている。奴のトリッキーな攻撃を躱したり防いだりする。たまに攻撃して少し追い詰める。
圧倒的に俺が優勢だ。俺は余裕の表情で攻める。逆に半兵衞は焦り、単調な攻撃が多くなった。
「どうした半兵衞?攻撃に精彩がないなあ」
「くっ…」
「ふっ…はあ!」
「ぐっ!」
攻撃をするがギリギリで防がれる。焦っているのが手にとるようにわかる。
「ん?!グォホッ!」
すると…突然半兵衞の口から血が出てきた。実は…半兵衞は病持ちなのだ。奴は口を押さえてうずくまる。
「ふん…病持ちだとはな。豊臣秀吉は知っていたのか?いや…これは知らないと見た。まあいい…貴様が病持ちだろうとなんだろうと関係ない。どうせ貴様は死ぬ運命だ」
「くっ…まだだ!僕はまだ…ここで倒れるわけにはいかない!」
半兵衞は立ち上がり構える。俺も構える。摺り足で少しずつ近付く。
「おおぉぉ!!」
「ふん!」
「…ゴフッ!」
俺は半兵衞の心臓目掛けて突き刺す。
「ぐぅぅ!ガハッ…んんんぐ…」
「…これで終わりだ。最後に言い残す言葉はないか?」
半兵衞の胸から剣を引き抜き、剣を掲げ上げて構える。
「……秀…吉…」