創造神の誕生(前) ―U―
□第54話 凶王三成と形部と明智光秀
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三成SIDE
私は…秀吉様の命により形部と共に近辺の軍と魔王軍先鋒隊と戦闘している。近辺の兵供が思った以上に手強い。
だが…あと少しで全滅だ。あとは…魔王軍先鋒隊のみになる。
「み、三成様ー!」
なんだ?今は忙しい。邪魔をするな!
「し、至急のお知らせが…」
「なんだ!?早く言え!」
「………」
「どうした!早く言わんと貴様の首を刎ねるぞ!」
「ひ…秀吉様と半兵衞様が…死にました」
な…なんだと?
「デタラメを言うな!秀吉様と半兵衞様が死んだなど有り得ん!」
「し、しかし…これは確かな情報です。大阪城から逃げてきた兵から聞いた事なんですから!」
そんな…秀吉様と半兵衞様が…許さん…絶対に許さんぞー!!
「秀吉様と半兵衞様を殺した奴を知っているのか!?」
「は…はっ!?秀吉様を殺したのは徳川家康です!」
家康だと!?…まさか裏切ったのか!?
「…家康ぅぅ!許さん!!絶対に斬滅してくれる!!半兵衞様を殺した者は!」
「えと…確か…創神リョウと名乗る男です」
創神リョウ?…聞いた事も無い名だ。そんな馬の骨のような奴に半兵衞様が殺されただと!?…何かの間違いだ!
そうだ…その創神リョウは卑怯な手を使って半兵衞様を殺ったに違いない!どちらにしても…創神リョウ…貴様も絶対に許さん!!
斬滅した後、貴様の首を半兵衞様の墓に捧げてくれる!!そう決まったら急いで大阪城に戻ろう!
「まて三成」
形部が止める。なんのつもりだ。
「形部…なんだ。私はこれから大阪城に行き、にっくき家康とリョウと言う卑怯者の首を取りに行かねばならない!」
「確かに…家康とリョウと名乗る男の首を取りに行かねばならない。だが…今、目の前の敵に背を向ければ…我々は背後を討たれる。それは避けねばならない」
「だが…奴等も迫ってきている!背後をつかれるのは同じ事だ!」
「だから…まず、魔王軍先鋒隊を蹴散らしてから奴等を迎え討つのだ。いくら奴等といえど…すぐに来るわけがない」
確かに…形部の言う通りだ。幾ら秀吉様と半兵衞様を殺った奴等といえどそんなに速く来るわけはない。それに…いくら私でも大阪城に着くのに丸一日掛かる。
なら…こいつらを片付けて盤石な体勢で挑んだほうがいい!
「形部…貴様の言う通りだ。確かにまず魔王軍を蹴散らした!その後に秀吉様と半兵衞様を殺った奴等を斬滅してやる!!」
「ヒヒ…それでいい。三成」
「ならば!こんな戦…さっさと終わらす!形部!貴様め戦え!!」
「あいわかった」
「いくぞ!うおおお!!」
「ヒヒヒ…」
秀吉様…半兵衞様…しばしお待ちください!必ずや…あなた方の敵を、この私が取ります!
リョウSIDE
今、俺は富嶽に乗って安土城に向かっている。言い忘れていたが、この富嶽はアニメの戦国BASARA弐に出てきた富嶽でしかも最終回のエンディングに出てきた改良版である。
大阪城を制圧してすぐに移動を開始した。この富嶽は…移動要塞なので移動しながら治療できる。先の戦で約数千が死んだが…降伏した豊臣兵を連れている為、その数は約13万に膨れ上がった。
「後少しで射程内だ。で…どうするんだ?」
「安土城にこのまま突っ込みたいが…その前に豊臣軍残党と織田軍先鋒隊を蹴散らさなきゃならない。残党と先鋒隊は合わせて約3万…対してこちらは元豊臣兵をいれて約13万。こっちが圧倒的有利だ。だが…このまま織田軍本陣の安土城を攻めるには…まず、この二つをつぶさなきゃならない」
「どうするのだ?」
「もちろん考えているさ孫市。まず…富嶽の大筒で残党と先鋒隊に向けて撃つ。そして…主砲の大筒2門は安土城に撃つ!」
「What?どういう事だ?」
「主砲の大筒2門は安土城を攻めやすくする為の砲撃だ。安土城は難攻不落といわれている。だから…富嶽の大筒で穴を開けるんだ」
「なるほど…考えているな」
「サンキュー小十郎。砲撃をした後、俺達全部隊とカラクリで正面を突破する!ただし…6万とカラクリは残党と先鋒隊を蹴散らす為に、残りはそのまま安土城に行ってもらう」
「なるほど…確かにそれなら無駄な時間を掛けずに安土城に攻められる上、被害も少なくてすむ。だが…たった7万では安土城を攻めるのは難しい。いくらあとで残り6万がくるとはいえな」
「ふっ…心配するな。さすがに俺達だけじゃあ魔王軍を相手に正面から攻めるのは難しい。だから…ちゃんと考えている。そろそろくるはずがだ…」
む?きたか。
「リョウ」