創造神の誕生(前) ―U―

□第62話 日常…か?
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セイバーSIDE



う〜ん…ふわあぁ、朝ですか。まだ太陽は完全に上っていない。部屋から出ます。私はマスター…いや、士郎の隣の部屋に寝泊まりしています。
マスターを士郎と呼ぶのは士郎がマスターと呼ぶのはよくないという事でそう呼ぶ事にしました。他の者達もそう呼んでいます。
少し早く起きました。どうしますか…ん?道場の方から音がします。誰かが習練でもしているのでしょうか?行ってみましょう。
道場に着き中に入ると、士郎とリョウがお互いに両手に木刀を持ち勝負している。士郎は一閃一閃が鋭く重い攻撃をする。
初めて士郎の強さを知りました。とても強いです!私らサーヴァントに劣りますがかなりの実力者です。こんなに強いなんて。
だが…それ以上にリョウの戦い振りに目がくぎ付けです。まるで舞うかのような攻撃。士郎の攻撃を受け流し、一回転しながら攻撃する。
ムダに動きのようで実にムダのない動きと攻撃をする。創神リョウ…今、彼の戦いはまるで踊っているかのようです。
彼を改めて見る。うっ…昨日の夜、彼が見せた笑顔を思い出します!な、なんでこんなに胸がドキドキするのでしょう…
なんで頬が熱く赤くなるのでしょう…何でしょう?この、感覚は…

「王」

「ひゃあ!」

は、背後から声をかけられて変な声を出してしまいました。な、なんだ今の声は!これでは女の子の声ではないか!わ、私は騎士だぞ!なんてはしたない声を…

「ラ、ランスロットか!驚かすでない!」

「失礼しました王」

後ろを振り向くと両手にタオルを持ったランスロットが立っていた。

「タオル?士郎とリョウのか?」

「はい王。マスターと士郎殿の物です」

「そうか。それにしても…士郎とリョウは強いな」

「はい。士郎殿は我らサーヴァントに劣りますがそれに近い強さを持っています。そして、マスターはその我らを圧倒する強さを持っています。事実、私とディルムレッドとイスカンダル3人で挑んで傷をあんまりつけられずに負けましたから」

「な!?まさかランスロットとディルムレッドとイスカンダル3人でかかっても勝てなかっただと!?」

「はい」

信じられない。3人共、サーヴァントとして高い戦闘力を持っている。前の聖杯戦争でこの身で知っている。それなのに3人に勝った。
それほど強いのか。

「我らを召喚する前からマスターは士郎殿を鍛えていたようです。だからこそ…士郎殿はあそこまで強いのです。そして、その士郎殿を鍛えたマスターはさらに…」

なるほど。これで納得できた。

「む?終わったようです」

振り向くとリョウの木刀が士郎の首もとに突き付けている。リョウの勝ちか。

「ふぅ…ちぇっ!全然かてねえや。せめて俺が勝てるくらい手加減してくれよ」

「それでは意味ないだろう。それよりさっさとシャワーを浴びて、朝飯を作ってくれ」

「おっとそうだな。すぐにシャワーを浴びて朝飯作るよ。サンキュー、ランスロット」

「いえ」

士郎はランスロットからタオルをもらい、汗を拭きながら風呂場に行った。

「やれやれだな。サンキュー、ランスロット」

「お疲れ様ですマスター。やはり汗を掻いていませんね。タオルはいりませんでしたか?」

「いや、あとでシャワーを浴びるから助かる」

そういえば…リョウは汗を掻いていない。凄いな。

「それにしても…士郎殿は王に挨拶しなかったな」

「フッ…急いでいたんだろう。いいじゃねぇか。セイバーおはよう。早いな」

「あ、ああ…おはようリョウ。ああ…目が覚めてな。それに音が聞こえて気になってな」

「そうか」

リョウが少し笑う。まただ…また胸が…何なんだ?

「さて…俺もシャワーを浴びて学校に行く準備をしないとな。じゃあ失礼。セイバーにランスロット」

「はい。マスター」

「あ、ああ…」

リョウが道場から出る。私はこの鼓動の高まりを鎮める為、座禅をする。

(王よ。頑張ってください!)



リョウSIDE



シャワーを浴びて、リビングに着くと士郎と桜がすでに朝飯を作り終えて座っていた。ふむ…今日は和食か。

「おはよう桜」

「おはようございますリョウ先輩」

二分後にライダーが四分後にセイバーがくる。

「おはようライダー」

「おはようございますリョウ。桜に士郎」

ライダーが挨拶する。俺に挨拶する時は少し甘い声をだした。ふぅ…なんで甘い声を出したかというと…めんどくさいからあとで本人の口から聞いてくれ。

(む?)
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