創造神の誕生(前) ―U―
□第66話 士郎VSアーチャー!黒幕出現とカミングアウト
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リョウSIDE
数分後、アインツベルン城に到着。入口の門を開ける。その後、広間で士郎とアーチャーが対峙する。士郎は入口の方に、アーチャーは階段の方に立つ。
「なぁリョウ。なんで俺はコイツと戦わなければならないんだ?」
「それはコイツの口から聞いたほうがいい」
「どういう事よ?士郎とアーチャーに何の関係があるのよ。アーチャー…答えなさい!」
凜がアーチャーに質問をするが、アーチャーは沈黙する。
「答えないなら俺が言うぞ」
「…衞宮士郎。私は、俺は貴様を殺す。その為にこの世界にやってきた」
「どういう事よ!」
「なんで先輩を!」
「アーチャー!?」
「…そういう事か。アンタがどこか他人事じゃないと感じていたが。まさか…アンタは」
士郎はわかったようだな。さすがは自分だな。それに…セイバーも何となく気付いたようだな。
「まさか…アーチャー。貴方は…」
「セイバー…お前の思っている通りだ。俺はエミヤシロウだ」
「「!?!?」」
「どういう事?」
「要するに…コイツは未来の英霊という事だ。未来で士郎が英霊になった存在だ」
「その通りだ」
「どうして俺を殺そうとする。理由を聞きたい」
「…いいだろう」
アーチャーの口から聞く話、それは士郎が英霊になり正義の味方と英雄という存在がどういう存在かを知った。それは絶望した悲劇の内容だ。
正義の味方を目指した士郎は正義の味方としての行動をしていた。その結果…裏切りにあい、最後は斬首台という結末になった。
死後士郎…いや、アーチャーは英霊になった。だが…そこで待っていたのは戦後の後始末…つまり掃除屋だった。
アーチャーは絶望した。自分が目指したものがこんなものではなかった事を。そしてそれを続けなければならない苦痛。
そして…アーチャーは決意した。それは…過去の自分を殺す事!そうすればこの運命を逃れる事ができるのではと。
その結果、アーチャーは過去に跳んだ。だが…
「だか…予想外の事が起きた。イレギュラーが現れた」
「イレギュラー?」
「…俺の事だろう」
「リョウ?」
「ああ…そうだ。創神リョウ!貴様だ!貴様は何者だ!貴様のような奴はこの時代にはいなかった!貴様はいったい…」
「知りたければ士郎に勝ってみな。勝てたら教えてやる」
「…いいだろう」
無理だろうがな。士郎は強い。ランスロットやディルムレッドとも戦った経験もあるし。実力はサーヴァントに劣るがかなりの力がある。
「衞宮士郎…貴様は殺す!この運命から逃れる為に!」
「殺される気は無い!姉さんや遠坂、桜を…大切な人を守る為にも死ぬ訳にはいかない!」
「「「士郎(先輩)…」」」
おい士郎。それは告白と同じだぞ。イリアは笑うが、桜と遠坂は多少顔が赤い。
「これ以上の言葉は不要だ。後は戦うだけだ。そうだろう?」
「クッ!確かにな」
そう言い、士郎とアーチャーは干将・幕耶を投影する。
「俺が審判をやろう。いいな」
「いいぜ」
「ふん」
そんじゃあ…いざ尋常に…始め!
士郎SIDE
「「はああ!!」」
互いに接近して攻撃する。あらゆる斬撃を繰り出す。コイツはカウンターをよく狙う。あんまり積極的に攻めてこない。
もしかして…
「なあお前。もしかして…剣術を習ってないのか?」
「チッ!そういう貴様は習ってやがったな!」
「まあな。リョウからいろいろ教えてもらった。あとは…我流かな!」
「チィ!」
俺は流れるように連続攻撃をする。だが…コイツはそれを躱したり防いだりする。しかし…全部捌ききることはできずに少しずつ当たり続ける。
「衞宮士郎!貴様は必ず殺す!たとえ貴様の夢が違うとしても根本的な所は変わらん!」
「…どういう事だ」
「所詮貴様と俺は自己犠牲精神の持ち主だ!そして…目の前にいる奴はほぉっておけん存在だ!そんな奴が目的を変えようとも本質は変わらん!」
確かにそうだ。リョウにも言われた。
『お前は根本的な所は変わらん。たが…大切な人達を守る為だ。それを忘れるな』
「俺は大切な人達を守る!その為なら俺は悪にだってなる!たとえ他人から危険な存在だと言われても…俺は戦う!」
「ぬぐっ!」
俺が少し押し始めた!このまま攻める!俺はコイツの剣を折った!奴は距離を取り、同じ剣を投影する。だが…チャンスだ!食らえ!
「魔神剣・双牙!!」
「なにぃ!」