創造神の誕生(前) ―U―
□第40話 ダンゾウ退場
1ページ/3ページ
リョウSIDE
サスケとイタチに追いつくとサスケがダンゾウの部下の【フー】と【トルネ】をボコボコにしていた。ダンゾウは見てるだけ。
「サスケ、イタチ」
「リョウ…」
「全く…まあいい。どうやら奴も来たようだしな」
そこにマダラが現れた。マダラの狙いはもちろんダンゾウとサスケとイタチだ。
「サスケ、イタチ。こっちにこい」
サスケとイタチはこっちにくる。ダンゾウとマダラは対峙する。
「儂の手伝いはしないのか?」
「正直に言って俺はダンゾウ…アンタの事があんまり好きじゃないんだよ。だから…共倒れしてほしいんだよな」
「ふん…」
「悪いがキサマの思い通りにはならんぞリョウ」
さて…お手並み拝見させてもらおうか。
イタチSIDE
ダンゾウとマダラは同時に仕掛けた。ダンゾウは得意の風遁系で攻める。しかし…マダラはそれらを全てすり抜けて躱す。あの能力は厄介だな。
マダラは火遁系で攻める。
「ぐぅぅぅ!」
ダンゾウはモロに食らう。殺ったのか?いや…殺っていない。マダラの背後から現れた。マダラは気付いてまたすり抜けて躱す
「なんだアレは…」
「アレがうちは一族の禁術の瞳術、イザナギか」
イザナギ…現実と幻を支配するうちは一族の究極幻術。だが…これ程の幻術となるとリスクがあり弱点もあるはずだ。
よくダンゾウを凝らして見る。互いに一撃が決まらない。まさに長期決戦だな。…ん?これは…
「兄貴…」
「2人とも気付いたようだな」
サスケもリョウも気付いたのか。
「どうやらあのイザナギは右腕にたくさんある写輪眼を犠牲にして出してるようだな。しかもかなりのチャクラを消費する上に発動時間が少ない」
ああ…あのたくさんの写輪眼はおそらくあの事件の時にか。イザナギを多用できるように。しかし…使用時間は僅か一分。短期で攻めるしかないな。
「ふん…厄介だな。イザナギは…」
マダラも気付いていたか。マダラはイザナギ発動終了時を狙ってきた。
「む!」
(躱せんか…仕方ない)
ダンゾウの右腕から木遁の術が出てマダラの攻撃を防いだ。あの腕は初代火影…千手一族の細胞でか。おそらく大蛇丸から手にいれたのか。随分繋がっているんだな。
「おそらく…あの二つの力は九尾を手中に納める為のものだろうな。だが…ナルトはすでに九尾を完璧に和解してるからムダに終わったがな」
確かに…残った道はマダラ用でしかないな。マダラも気付いたらしく、ダンゾウを間髪を入れずに攻撃している。ダンゾウはイザナギをしまくる。
ダンゾウの右腕にある写輪眼が徐々に瞳を閉じていっている。残り一個になった。決着に近い…
(残りはあと一つだ。これで決める!)
どうやらダンゾウは覚悟を決めたようだ。ダンゾウはチャクラクナイに風遁をのせてマダラに走る。マダラも刀を出して走る。
「「…」」
…2人の武器が互いの体を貫いた。いや…これは……
「…儂の勝ちだな!マダラ!」
「…違う。勝ったのは…」
「!?!…ゥゴフッ!バ…バカな…なぜ、儂が」
そう…勝ったのはマダラだ。貫かれたのはダンゾウだ。なぜ貫かれたのか?なぜイザナギが発動しなかったのか?
「マダラはダンゾウに月読を発動した。一瞬を見逃さなかった。ダンゾウはイザナギを発動して一分経ったら必ず腕にある写輪眼を見ていた。それを利用した」
「あの最後の写輪眼を見た時、ほんとはすでに閉じていた」
リョウとサスケの言う通り。この勝負の結果は…うちはの体とそうでない体の差だろ。いくら千手一族の細胞の手でもうちは一族とは違う。
何より写輪眼の使用数の錬度が違う。それが最大の差だ。
「ぬぅ…ぬぅがあああ!!」
!?あれは…腕から木遁が…あのダメージが千手の制御が利かなくなったのか。ダンゾウは自ら腕を切り落とした。もう…ダンゾウに勝つ手段がない。
もうイザナギは使えない。対してマダラはまだすり抜ける能力が使える。どうするダンゾウ…できれば相討ちになってもらいたんだがな。
「まだ儂には…これが残っておる!」
ダンゾウは右目の包帯を解いた。そこには写輪眼が…あれは!
「【うちはシスイ】の写輪眼か…その目はオレがもらう!」
やはりシスイの目…ダンゾウが確か持っていたな。そしてもう片方の目は…
「シスイ…イタチに影響を与えた里を第一に考える忍だったな。やはりうちはは…里を一番に考えている忍一族だよ」