創造神の誕生〜vividな外伝〜
□Memory11 再選!伝える気持ち
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「えっと…どうもこんにちはロクサスさん」
こっちは緊張してるのにあっちはほのぼのとした雰囲気で挨拶してる。なんであんなにのどかになれるのかな?
「ここな。救助隊の訓練でも使わせてもらってる場所なんだ。廃倉庫だし許可も取ってあるから安心して全力出していいぞ」
「うん。最初から全力でいきます!セイクリッド・ハート…セットアップ!」
わたしは大人モードにセットアップする。いきなり全力全開でいかせてもらいますアインハルトさん!アレ?アインハルトさんは?
「…ねえリオにコロナ。目が痛いんだけど。そろそろ手を放してくれないかな?」
「………うん」
「そうだね」
「アインハルト…いつの間にオレの目を手で覆ったの?それになんで?」
「ロ、ロクサスさんには早いです!」
トウヤくんの目はリオとコロナが手で覆い隠して、ロクサスさんはいつの間にかアインハルトさんが両手で目を覆い隠していた。
本当にいつの間にだよ。それにしてももうぅっ////やっぱりトウヤくんに見せるのは恥ずかしいよ////
〔やっぱりあのセクハラスーツはいただけないわ!トウヤはそんなの好みじゃないわよ〕
「なに言ってるのブレイブ!////ただ、あの格好だとその…えと……////」
〔くぅぅぅぅっ!!この小娘め!トウヤを色香で狙うとは女の風上にも置けないわ!〕
いったいなに言ってるのブレイブ!////わたしは別にトウヤくんをいい色香をしてるわけじゃないよ!////これがわたしの戦闘服なんだよ!////
「ロクサスさん…鼻の下を伸ばさないでくださいね」(ゴゴゴゴ…)
「伸ばしてない!伸ばしてないから手の甲を抓らないで!足を踏まないで!!いでででで……」
『『あらあらまあまあ…』』
アインハルトさんはロクサスさんの足を踏み付けて手の甲を抓る。それを見てスバルさん達大人達は微笑ましそうに見つめる。
「痛たた…アインハルト。ヴィヴィオは君になにかを伝えようとしてる。それに答えられるかはアインハルト次第」
「はい。できるかわかりませんが頑張ってみます。それであの…ロクサスさん////えっと…後ろ、向いててくれませんか?////」
「あ、ああ…////」
「武装形態」
そう言うとアインハルトさんも大人になった。アインハルトさんも大人モードになれたんだ。
「アインハルトさんも大人モードに!?」
「あの…ヴィヴィオ。いつの間に目を?それと痛いからそろそろ離してくれないかな?」
「……うん」
わたしは一瞬でトウヤくんの背後に回り目をふさぐ。
「やっぱり綺麗だ…////」
「あぅ…////そんなに見つめないでください////恥ずかしい…です////」
「あ…う…ごめん////」
うわあ…アインハルトさんとロクサスさん、良い雰囲気だ。なんだか甘酸っぱい空間になってる。スバルさん達はそんな2人を微笑ましく見てる。
うらやましいなぁ…わたしもいつかトウヤくんと……ってなに考えてるのわたし!////
「あ〜、いいか?今回も魔法はナシの格闘オンリー5分間一本勝負!それじゃあ試合…開始ッ!!」
試合開始の合図が鳴り、構える。
(綺麗な構え……油断も甘さもない。いい師匠や仲間に囲まれてこの子はきっと、格闘技を楽しんでる。私とはきっと何もかも違うし覇王(私)の拳(いたみ)を向けていい相手じゃない)
うわっ…すごい威圧感。一体どれくらいどんな風に鍛えてきたんだろう。勝てるなんて思わない。だけど、だからこそ一撃ずつで伝えなきゃ…「この間はごめんなさい」と!)
アインハルトSIDE
お互いに駆け、まずは先制で足を止める。ヴィヴィオさんはガードしたけどその隙に左の拳で顔を掠める。さらに拳を繰り出すけどヴィヴィオさんはそれを防ぎ避ける。
(わたしの全力!わたしの、ストライクアーツ!!)
グッ!今の拳は効きました。けど…もう一撃くる!私は顔を守るように両手でクロスにしてガードする。
(この子は…)
今度は私が連撃で追い詰めます。この右ストレートで!!…(ガゴォン!)…ヅッ!!カウンターをしてきた!?
「やった!?」
「今のは効いたね」
「はぁぁあッ!」
この子はどうして…こんなに一生懸命に?師匠が組んだ試合だから?友達が見てるから?どうして?
(大好きで大切で、守りたい人がいる!小さなわたしに強さと勇気と暖かさを教えてくれた!世界中の誰より幸せにしてくれた!強くなるって約束した!強くなるんだ!どこまでだって!)
「あああぁぁっ!!」