リリカルCAPCOMStrikerS―弐―

□第四十章 無双は男なら憧れるが、やってみるとたまにツマらなくなる
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フリザード「フン!オレ自身そのテイルウィップが通用しないことはわかっていたさ!何しろゼロも最初のテイルウィップをあっさり躱したんだからな!」

フリザード自身、このテイルウィップは牽制以外にあまり使えない事を知っている。油断している相手に不意を突き、自身の炎で焼き殺す。
しかし、それが通用していたのは油断している相手かはたまた雑魚かのどちらかしかないのだ。

フリザード「このオレ自身、この技はあんまり好かん!何しろ油断せん相手には効かんからな!どうでもいいがな。オレは楽しめればそれでいい!真っ正面から敵を炎で焼き尽くす!」

ネロ「ヘッ!随分とデカい口をたたくじゃねえか。おもしれえ冗談だ」

フリザード「このオレがニンゲンごときに負けるか!悪魔にもな!そして!貴様のようなハーフだとしてもな!」

フリザードはさらに両手のチェインバーナーを激しく放つ。炎は轟々と燃え上がり、周りや悪魔、メカニロイドも燃え盛る。
ネロは躱しながらブルーローズで撃ちまくる。フリザードは跳躍で躱す。

フリザード「ふん!チョロチョロ避けやがって!だったらこれで燃やし尽くしてやるぜぇー!!シャアァーーーッ!!!」

フリザードは襟巻きを回転させながら炎を撒き散らす技、ファイアスプリンクラーを繰り出す。ファイアスプリンクラーは周りを炎で焼き尽くし、近寄らせないようにしてくる。
ネロはファイアスプリンクラーに当たらないように下がりながら避けてブルーローズを数発撃つ。しかし、炎と魔力弾が当たり爆発する。

ネロ「チッ!面倒くせぇ!ならよッ!」

ネロは跳躍し、フリザードの頭上に跳ぶ。

ネロ「これならてめえの炎も無意味だろ!」

フリザード「ハッ!あめえんだよ!!」

ネロはレッドクイーンを持ち構えながら落下していく。だが、フリザードは余裕な表情で頭上にいるネロを見る。
すると、襟巻きが折り畳まれネロに向けている!

ネロ「なっ!?」

フリザード「改良されて生み出された新たな技だ!くらいな!!フレイムシャワー!!!」

折り畳まれた襟巻きから高温の火炎がネロに向かって発射された。フレイムシャワーと呼ばれた技はネロを炎で包みこんだ。
炎の勢いは止まらず出続け、雲に近付くくらいの火柱が出ていた。

フリザード「シャハアァァーーッ!!どうだ!さすがのキサマもこの火炎からは逃れられねえだろ!そのまま消し炭になるんだな!シャハハハァァーーーッ!!!」

フリザードは勝ったと思い高らかに宣言する。フレイムシャワーはフリザード最大の大技。そんな大技が決まったのだ。
決まって当たり前だと思ったのだろう。しかし、それが油断に繋がる。なにしろ相手は…ただの人間ではないのだから!

ネロ「ゥゥウウウオオラアァッ!!!」

突然ネロの吠えと同時に炎が霧散した。その中からネロが煤けた程度の姿のまま現れた。

フリザード「な、なにぃ!!?」

ネロはレッドクイーンのグリップを限界まで回して思いっきりスイングしたのだ。その勢いでフリザードのフレイムシャワーをかき消したのだ。
完全なる力技である。

ネロ「ヌラアアッ!!」

フリザードはそんな光景に呆然とするしかなかった。それが隙となりネロはそんなフリザードに斬撃を繰り出す。
フリザードは眼前に迫ってくるネロにようやく気付き、バックステップでなんとかネロの斬撃を躱す。だが…完全に躱しきれずフリザードの襟巻きが真っ二つになった。

フリザード「キ、キサマアアァァァ!!」

ネロ「これで襟巻きの炎は使えねえな!ヘッ!あとは両手のバーナーと尻尾だけだな!」

フリザード「舐めるなァ!武器を一つ破壊したからって勝ったと思うな!!」

フリザードは両手のチェインバーナーを構える。だが、それよりも早くネロはレッドクイーンを背にかけてブルーローズを抜き2連射撃つ。
ブルーローズの弾丸はバーナーの発射口に入りバーナーが炎を噴いた瞬間、フリザードの両手が爆発した。

フリザード「グアアアァァァッ!!」

フリザードは叫び、呻き声をあげる。ネロは狙って撃ったわけではない。たまたまの2連射がバーナーの発射口に入っただけにすぎない。
これがダンテならば狙って撃ったであろう。まだまだネロの射撃の精度は高くない。

ネロ「Die(死ね)!!」

ネロはレッドクイーンを構えて一気にフリザードの懐に入り、縦に切り裂いた。フリザードは真っ二つになり、ずれた。

フリザード「グハッ!!へ、へへへ…やるじゃねえか。まさか、このオレをこうもあっさりと…悪魔とニンゲンのハーフだと思って侮ったか」
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