闇夜の友愛 ―第四次忍界大戦―(完)
□忍界大戦開幕
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「はい…とても愚かです。誰のおかげで里を守れたのか。無知とは残酷です」
ヒナタの表情にヒザシは顔が曇り陰る。それだけでナルトがどのような目にあったのか瞬時に理解でき悲しくなった。
友人とその妻のご子息が里の者達に迫害を受けたと気付いたのだ。悲しまない理由などない。
「旧家や名家の者達は…」
「旧家やうちは一族はナルトを苛めずに密かに守っていました。しかし…日向一族は」
ヒザシはまた瞬時に理解した。どうやら日向一族はナルトを四代目とクシナのご子息を守らず見殺しのような扱いをしていたようだ。
ヒザシは兄であるヒアシを思い出す。ヒアシは日向こそ最強だと信じて疑わない男だ。そんなヒアシは名家でも旧家でもないただの忍1人が火影となり里のトップになったのが気に食わないのだ。
実は、ヒアシは四代目火影ことミナトに勝負を挑んだのだ。勝敗はミナトの勝利。ヒアシは負けたのだ。ミナトは友情として握手をしようとしたがヒアシはそれを突っ撥ねた。
日向こそ最強だと信じて疑わないヒアシにとってそれは屈辱以外に何物でもないからだ。他人からしたら無駄にプライドが高くくだらない行為でしかない。
それ以降ヒアシは火影就任以外でミナトとは会っていない。
「そうか…なんて愚かな。なんてツマらないわだかまりで」
「ヒザシ叔父さんはナルトを…」
「私は彼を苛めないよ。四代目様…ミナトとは友人だからね。友人のご子息なんか絶対に苛めたりしないよ」
それを聞いてヒナタは安堵する。ヒザシの言った通り、ヒザシはミナトとクシナとは友人関係で旧家やうちは一族とは仲が良い。
しかし、日向ではヒザシは回し者扱いであった。特に名家のライバルであったうちはと仲がよいというのが特にヒザシを孤独にさせたのだ。
しかし、本人はどうでもよかった。里のため、友のために任務をしているのだ。それを誇りに思っている。そして、ヒザシは里のために一族改ざんのために自らの命をさしだしたのだ。
しかし、現実は残酷。一族は変わらずヒナタはおちこぼれの烙印を押されたのだ。
「わたしは里のために命をさしだしたのに、今わたしはそんな里に刃を向けている。バチが当たったのかな?」
「……変わる者もいれば変わらない者もいます。日向一族はこの戦争で最強だと魅せつけようとする。愚かで変わろうとしない愚か者。でも、私は変わった。だからここにいる」
「ヒナタ様…」
「私はナルトを守るために仲間のために私は戦う。その為に今私はここにいます」
「ヒナタ様」
「だからヒザシ叔父さん…私は貴方を倒します」
(ヒナタ様…貴女様は変われたのですね。ネジ、お前は変われたのか?もし、変われなかったら不甲斐ない父を許してくれ)
ヒザシはネジが変われたのか気になった。だが、現実はネジは変わらず日向を憎み日向こそ最強だと信じて疑わない。
そんな穏やかなヒザシの表情が戦う表情になる。
「済みませんヒナタ様。どうやら体が思うように動きません。もうすぐで完全に操られそうです」
「わかりました。必ず倒します。勝負ですヒザシ叔父さん!」
その頃、サスケとナルトとイタチは先に進む。その時、ナルトはとある悪意を感じる。
「止まれ!」
「「!」」
ナルトは静止の言葉を掛けるとサスケとイタチは止まる。
「なかなかの数だな。額宛てからして木の葉か」
「だが、知らん奴等ばっかりだな」
そこに現れたのは木の葉の忍十数人だ。しかも、かなりの憎悪を感じる。
「九尾の餓鬼…!」
「化け狐!!」
「化け物!!」
口々から発せられる言葉はナルトに対しての憎しみや怒り、憎悪ばかり。そう…この木の葉の忍達はナルトに憎悪を持つ者ばかり。
しかも、全て任務で死んだり3年前の木の葉崩しで死んだ忍ばかり。全員がナルトが死んだとばかり思い喜んだ者達。
しかし、現実はナルトは生きていた。穢土転生で蘇り、それを知って憎しみをぶり返したのだ。そして、自身らの手で葬ろうと行動したのだ。
術者のカブトからの指示でナルトの居場所を聞き、こうして現れたのだ。
「チッ!どいつもこいつもナルトを…そんなに殺されたいか」
「抑えろサスケ。気持ちはわかるが」
ナルトの憎悪の言葉にサスケは睨みつけて怒りを感じる。イタチはサスケを諫める。
「うちはイタチだと?同胞殺しをして木の葉を裏切った抜け忍か!」
「貴様と九尾の餓鬼が一緒だと!?やはり大罪人は大罪人と一緒か!」
「しかもその弟のサスケもいるとは!大罪人同時がそろうとは天が我らに奴等に裁きをさせるようにしたに違いない!」