闇夜の友愛 ―第四次忍界大戦―(完)
□集う最終戦
2ページ/9ページ
砂塵が消えて周りが見える。人柱力達が倒れている。
「これは…チャンスだ」
『今のうちに封印しちまうぞビー!墨分身で卍固めだ!!』
「封印術・億怒端数煩流奴!」
口から墨が出てビーの墨分身が現れる。7人分に分身されて人柱力達を卍固めする。
「変わった封印術だな」
『ビーの封印術の一つだ!あのままカウントスリー…つまり3秒で完全に墨が体全体を覆い固まって動きを止める!!動けなくすれば完了!!』
「そうなったら杭を引き抜くのも簡単にできるわね」
「ちっとは役に立つじゃねえか」
カウントが始まる。サスケは固唾を飲んで見守る。だが3秒の時に尾獣チャクラモードになって封印術を解除した。
「…おい失敗したぞ」
『…………すげー感じで敵がパワーアップ…したな』
「行け…」
「!!あの面ヤロー!地面に隠れてやがった!」
どうやら地面に隠れていたようだ。だが、サスケだけは面の男を睨むように見つめた。サスケは面の男が妙だと感じていた。
しかし、サスケはすぐに人柱力達に眼を向ける。八尾は蛸足や拳を繰り出すが尋常じゃない速さで捕らえられない。
「虫食い!!」
「くっ!」
「猫爪!!」
「チッ!」
「蛭間!!」
「痛ェ!!」
『強アルカリ液だ!皮膚を溶かされてんぞ!!』
「珊瑚掌!!」
「くぅっ!な!?何だコレ!?」
「花果山!!」
人柱力達が技を繰り出してくる。その猛攻にサスケ達は防戦一方。未知の技の連続に加えて尾獣チャクラモードでさらに押される。攻めるに攻められないのだ。
『ヤバイ…!こいつらが今の状態で尾獣化できるとは思わなかった!お前ら、ここは一旦引いて立て直すことに…っ!』
「角折り!!」
「しまっ…!くっ!」
「砂漠柩!」
「このままだと!」
八尾は体勢を立て直そうとするが、五尾の技に直撃して吹き飛ばされる。サスケとヒナタはナルトの救援に向かおうとするが、我愛羅の砂により止められる。
「クソッ!動けねぇ…!」
「八尾の人柱力が現れたのは驚いたが。同じ人柱力でも7対2では分が悪そうだな。この手が触れたらオレの勝ちだ」
「ヤバイ…」
仮面の男がナルトに近寄り掴もうとする。もうここまでか。八尾とビーだけは思った。そう…八尾とビーだけは。
「誰が7対2だ。この面が。その面のせいで視野が狭なったか」
「ナルト!」
「ヒナタ!サスケ!助かった!」
サスケが仮面の男に刀を振るい、すり抜けたところをヒナタがナルトを救出する。砂に捕まったサスケとヒナタは変わり身の術で回避したのだ。
「ナルトを囮にオレが実体化するタイミングを狙ったか。余計な邪魔を」
「一つ訂正するぞ。今は7対4だ。不本意だがな」
「八卦空掌!(弱)」
「サンキューヒナタ!」
五尾がサスケ達目掛けて突っ込んでくる。だが、仮面の男は鎖で五尾を止める。
(どういうことだ?五尾の奴、面の男を攻撃しようとした?)
五尾は確実に仮面の男に敵意を殺意を持っていた。仮面の男は五尾の尾獣化を止める。
「尾獣の力を止めた?」
「分からねえ…ただ尾獣は完全にはコントロールできてないようだな」
『おい聞こえたかナルト?今の声』
「ああ…聞こえた」
『あれは尾獣…五尾の声だ。オレ達尾獣にもちゃんと感情がある。ああいう扱いされるのを見るとさすがに腹が立つ!痛っ!』
ナルトとビー、九尾と八尾は仮面の男の尾獣の扱いに怒りを押さえられない。
「くるぞ!構えろ!」
サスケの号令で全員構える。ビーだけは1人、それ以外は2人とそれぞれが対峙する。ただ、サスケだけは写輪眼でしっかり観察していた。
(里を襲ったペイン六道は異能の術を使っていた。だが、こいつらはそれを使わない。使わない?いや、使えないのか)
「厄介な…尾獣チャクラモードがこれほどだなんて」
「ああ…だが、だからこそだろうな。瞳力だけで7体もの尾獣を完全にコントロール下に置くには相当のチャクラを要する。だから輪廻眼の術は使えないのだろう」
「さっすがはサスケ!」
「よく見抜くなうちはサスケ。いい眼を持っている。さて…では、少し強がってまるとしよう」
サスケの観察力、理解力に仮面の男は表意を敬する。だが、仮面の男は印を結ぶ。
「次は二匹だ」
「「ウォオオオオ!!!」」
四尾と六尾が尾獣化した。