創造神の誕生(後) ―StS〜ネギま―
□なのは編 第42話 休暇
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だってあんまりここに居たくないもん。さっきから隊舎の幾つもの窓から殺気を感じるんだもん。怖くてしょうがねぇよ。
移動に使うのは自腹で買ったミッドの車。かなり高性能で高級車。俺はただ一番良さそうなのを買ったにすぎないのだが、フェイトはかなり羨ましがっていたな。
2人は後ろの座席に座らせる。隣りの座席にどっちかを座らせると争いそうだからな。さ〜って、出発しますか。
『『『『羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい……ブツブツ』』』
アリシアSIDE
「今日は良い天気で良かったわね!」
「そうだな」
リョウの車でミッドの市街地に到着した私とリインとリョウはデートを満喫しようと腕を組んで歩く。リインがいるのは少し気に入らないけど、まあリョウが言ったからしょうがないか。
私とリインはもうルンルン状態。フェイト達には悪いけど、勝負だからね。
「それにしても…スッゲェ視線を感じるな」
「そうですね。正直言って鬱陶しいです」
そうなんだよね。まだ10分も経ってないのにさっきから周りの人達から視線を感じるんだね。まあこんな可愛い彼女を2人も一緒に歩いてるんだもんね。
注目は浴びる。だけど、殆どの女性はリョウを見て顔を赤くしてる。それを見てなんだか少し不愉快。
「おい2人とも。急に腕に引っ付く力が強くなってるぞ」
どうやらリインも同じ気持ちのようね。男達はリョウを羨ましそうに見てる。
「さて、何処に行く気だ?」
「私はリョウにお任せします。アリシア、貴女は?」
「そうね。まずはブラブラと歩きましょう。服とかアクセサリーはその時にね」
「なら、そういこうか」
というわけで私達はブラブラと町を探索と同時に歩く事にした。
ティアナSIDE
「〜!やっぱりここのアイスは美味しい〜!」
全くこの食いしん坊娘は…町に来てからさっきから食べてばっかり。まあ一応ゲーセン行ったりしたけど結局はスバルは食べるのを優先している。
「ティアは食べないの?美味しいよ?」
「結構よ。最近少し脇腹がね」
ちょっとお肉が付いてきてるのよね。私自身、かなり注意しながら食事をしてるはずなのに。
「え〜!うっそー!ティア全然変わってないよ。そりゃあ胸は多少大きくなったけどさ」
「大きな声で言わない!っつかなんでそんな事がわかるのよ!」
もしかして…私がジ〜ッと見つめるとスバルは目を逸す。やっぱりかこのバカスバル!
「いひゃいいひゃい!」
「このバカスバル!朝ね!朝にしたのでしょ!正直に答えなさい!」
「…いたた。う、うん。ティアが眠ってる間にちょっとね」
このセクハラ食いしん坊娘がぁ!ちょっと痛い目にあわさないと懲りないようね。
「あ!ティアティア!」
「なにバカスバル?今、アンタにどんなお仕置をしようか思案中なんだけど」
「うっ…そんな物騒な事は考えないでほしいかな。そ、そんな事よりあれを見て!」
物騒な事ってなによ。私は貴女が真人間になるようにね。ま、いいわ。スバルが指差す方に顔を向けると目に写ったのはリョウさんとアリシアさんとリインさんの3人が歩いている光景だった。
アリシアさんとリインさんはリョウさんの腕に引っ付いて嬉しそうな顔だ。
「もしかしてデートかな?いわゆるダブルデート!?」
「デート…」
「いいなぁ。ちょっといいなぁ」
「…」
私はリョウさんがアリシアさんとリインさんのダブルデートをする姿をジッと見つめていた。リョウさんはアリシアさんとリインさんをしっかりエスコートしていた。
その姿に私の胸の奥がなんだかチクッとした。
「ティア?どうしたの?なんだか機嫌が悪い顔をしてるよ?」
「え?」
スバルに言われて私は顔を触る。よくわからない。でも、なんで機嫌が悪いのか少しわかった。多分、リョウさんが六課に来て再会した時から。
私はただ、気付かなかっただけ。認めたくなかっただけ。だけど、今なら認められる。私は…リョウさんが好き。
「スバル」
「ティア?」
「私、頑張るわ。ライバルは多いけど、必ず!」
「…うん!頑張ってねティア!応援するから!」
とりあえず今はスバルと休暇を楽しまないと。