創造神の誕生(後) ―StS〜ネギま―
□なのは編 第44話 ママは何人?
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リョウは目を細めながら言い放つ。シャッハは自分から言ってはならない事を言ったのだ。シャッハ自身それに気付いていない。
「なにを…?」
「今、お前はこう言ったよな。造られた存在は危険だと。それは即ちフェイトやエリオ、ヴォルケンリッターを信用していないって」
「なっ!?そ、それは違います!」
シャッハは慌てだした。それはそうだろう。自身の言った事が友である者達を侮辱した事になっているのだから。
「違わないな。お前に弁解なんてない。それに…人を見る目があるならそんな武器を装備して構えない。今すぐにデバイスを下ろすんだな。自分に非があるなら」
「ッ!」
リョウの言い方が気に食わないのかわからないが、シャッハが激昂してリョウ目掛けて突っ込む。シャッハはヴィンデルシャフトを振り回してリョウの頭部目掛けて振り下ろす。
その形相を見たヴィヴィオは怯える。
「ガッ!」
「あんまり怯えさすな」
リョウはしゃがんだまま右足で蹴りを入れてシャッハの腹部に直撃して飛ばした。シャッハは壁に激突して腹部を押さえながら睨みつけてくる。
「よくも…」
「なにをそんな激昂してんだ。自分の非が認められないのか?それとも俺が気に食わないのか?どっちにしてもすぐに短気になって攻撃を仕掛けてくるとはとんだ暴力シスターだな」
「くっ!」
「それにこれであのカリムの護衛ならさぞかし苦労してんだろうな」
リョウは挑発してるわけもなくただ真実を言ってるだけなのだが、シャッハは挑発していると思い込みデバイスを握り占める。
「おいおい…まだやる気かよ」
「当然です!貴方の事はカリムから聞きました。そして対面してわかりました。貴方は無礼な人物だと!貴方を仕付けてやります!」
「自分の非を認めないか。仕方ない…少しお灸をすえてやるか」
「そこまでだ!」
シャッハはリョウを指導すると言い、リョウは仕方なしにとバサラを起動させようとする。その前に停止の声が聞こえなのはとシグナムが割って間に入ってきた。
「シグナム!なのはさん!」
「シスターシャッハ。これは何のつもりなんですか?いくら友である貴女でも容認できん」
「これは…その娘を戻ってもらう為です!それを彼が邪魔を!」
「それにしてはデバイスを起動させるなど…相手はただの子どもだ」
シャッハはなのはとシグナムの登場にたじろぎ困っていた。シグナムは何をしているのかと問うとシャッハはヴィヴィオを捕まえる為だと言った。
それになのはとシグナムは呆れてしまった。たったそれだけでこんな事をするとはと。それならリョウがヴィヴィオを守ろうとしたのも頷けた。
「その娘は人造魔導師です!どんな危険があるか!」
「もし本当に危険なら今頃ここは酷い事になっているはず。シャッハ、少し焦りすぎです。落ち着いてください」
「リョウ君大丈夫?この娘泣かせてない?」
「大丈夫。この娘も泣かせていない。それに…仕掛けてきたのはシャッハからだからな」
「それにしてもこの娘を怖がらせちゃだめだよ」
シグナムはシャッハを落ち着かせるように説得をする。その間になのははリョウとヴィヴィオを心配する。なのははヴィヴィオに近寄り目線を近付かせるようにしゃがみこむ。
「もう大丈夫だよ。怖かったね。名前…聞いてもいいかな?私の名前は高町なのは」
「おっといけねぇ。名前忘れてたな。俺は創神リョウ」
「…【ヴィヴィオ】」
「ヴィヴィオ…うん、良い名前だね」
なのはは自身の名前を言いヴィヴィオの名前を聞く。自身の名前を言ってなかったリョウも名乗る。ヴィヴィオはまだ目に涙を溜めながら名乗る。
ヴィヴィオという名前になのはは良い名前だと褒める。リョウも賛同して頷く。
「ヴィヴィオはどうしたかったのかな?」
「…ママを探してるの」
「そうなんだ。この娘はどうやらママを探しに病室から出たんだと思う」
「そうなんだ。だったら一緒に探しそうか」
ヴィヴィオが外に出た理由を聞いたなのはは一緒に探そうと言う。それにヴィヴィオに笑顔ができる。その笑顔を見たリョウ達も笑顔になった。
こうしてリョウ達はヴィヴィオを連れて機動六課に帰還した。