創造神の誕生(後) ―StS〜ネギま―

□ネギま編 第53話 仮契約
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3人称SIDE



「なんじゃ…あの紅き翼の隠れ家じゃからどんなスゴいものかと思っておったら掘っ立て小屋ではないか」

「なんだとジャリ!これで雨は防げるんだぜ!」

「なんじゃキサマは!無礼だのぅ!お主は何者じゃ!」

「聞いて驚け!この俺様の名はジャック・ラカンだ!」

「なぬっ!あのジャック・ラカンか!…………確かに強そうじゃが、リョウの方が何倍も強そうじゃ」

「んだとこのチビ!」

隠れ家に逃げてきたリョウ達は今後どうするか作戦を立てていた。テオドラはジャックと戯れているが、その光景にリョウはため息を吐く。
アリカはアスナを見てナギ達が説明すると、リョウに食ってかかったがしばらくしてようやく矛が収まった。アスナとはあまり話したことがなかったが、しっかりとした言葉を発するのを見てアリカはよかったと安堵した。
追いかけられていたテオドラはリョウに抱き付き背後に回る。

「リョウよ!あの筋肉達磨を成敗せい!」

「やめなさいテオドラ。仲間を成敗する気はない」

「お、やるか!?てめえとはいい加減一勝しないとな!」

「お前もやめろラカン」

テオドラはリョウになぜか懐いてしまった。リョウはなぜ懐かれたのかさっぱりわからなかった。ただ…

「ジーーッ…」

「…アスナ。そんな睨むな。俺のなにが悪いんだ?」

「ツーン」

「やれやれ…」

「……フッ!」

「キッ!」

「やれやれ…」

そのせいでアスナが不機嫌になった。さらにテオドラもアスナを見て少し敵意を抱いている。リョウは何となくわかっているのでもうため息しかなかった。
どっちもリョウが好きだからだ。アスナは一番接してたからであろうことはリョウもわかっていた。ただ、テオドラだけはわからなかった。
そこは、本人に聞かないとわからない。

「あっちはどうなってるかな?話は纏まったか?」

リョウはドアから覗きこむ。本来ならリョウも加わるのだが、加われなかった。理由はアスナとテオドラにある。
2人は事あるごとに対立する。アスナが抱き付けばテオドラも抱き付く。睨み合いも起こり会議どころではない。
なのでリョウは外されたのだ。リョウだけでなく他の面々も覗きこむ。

「……はぁ。しゃあねえ。いいぜ。俺はアンタの剣となり盾になろう」

「うむ!頼むぞ!我が騎士ナギよ!」

ナギがアリカに跪いて杖を剣代わりにする。これって所謂騎士の誓いって奴か。

「なるほど…つまりこれは恋人になってくれと言うやつか」

「違うぞラカン。この場合は結婚前提で付き合ってくださいだろ」

「なるほど」

リョウとラカンの小声にナギとアリカが気付き、ドアに顔を向ける。

「て、てて、てめえら!」

「なに、恥ずかしがることはない。俺達は応援してるぞ」

リョウの言葉を最後にリョウ達は逃げる。ナギは顔を真っ赤にしながら追いかける。そのナギにアリカは顔を赤らめながら微笑んだ。
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