創造神の誕生(後) ―StS〜ネギま―

□ネギま編 第56話 出会い!エヴァンゲリン
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エヴァSIDE



私は…長い永い年月、逃げる毎日を送っていた。今日もまた追われていた。

「いたぞ!吸血鬼エヴァンジェリンだ!」

「化け物を殺せ!」

いつものことだ。私はいつものように迎撃するのだが、今回は魔力が少なかったのと予想以上の数に逃げるしかなかった。
崖まで追い詰められて魔法をくらい落下する。死にはしないだろうがこれで…と思ってると黒の長髪の男が私を助けた。
その男があの紅き翼の英雄の1人だったとはな。私はアスナという少女とともに行動してるリョウと一緒に同行することになった。
奴は…変わっていた。私を化け物とは見ず、普通の人間のように接してくる。畏怖もせず、怖がらずただただ普通に。

「なぜ…私を恐れない」

「ん?どこに怖がる要素が?俺からすればお前は普通の少女だぜ?それも可愛い部類にはいる」

普通の少女…だと?しかも、可愛い?そんなことを言われたのは初めてだった。だからなのだろう。私はこの男に惹かれていったのは。
いままで闇だった心に一筋の光。光明の光のように。私は…この男が欲しいと思った。いや、欲しいじゃないな。
私は…この男が好きなんだ。今のところアスナがライバルってところか。フッ…負けんぞ!



アスナSIDE



今、わたしは危機感を抱いている。このロリババア吸血鬼がリョウに好意を抱いてると。随分年上のおばはんのくせに若いリョウのことが好きだなんて。
限度がある。おそらくリョウも気付いている。リョウもリョウ。こうやってフラグを建てて。だからこの吸血鬼は調子に乗る。

「なぁリョウよ。私の物にならんか?」

「…それ何度目だ?俺は物じゃない。悪いが吸血鬼の仲間入りなんかゴメンだぜ。今が気に入ってるんだから」

「ふん…強情な奴だな」

「それはこっちのセリフだ」

今だってエヴァがアピールして迫ってきてる。このままではまずい。最悪仕留めるか?それはダメ。リョウに嫌われる。
どうしよう?なんとか考えないと。………………これだ。エヴァはリョウを物にしたい。なら、それを逆手に取ればいいんだ。

「リョウ」

「ん?どした?」

「ナギと連絡取れる?」

「?ああ取れるぞ」

「ちょっとナギに頼みたいことがある。ナギと連絡させて」

「わかった」

リョウはナギと念話で繋がる。リョウにコツを教えてもらいながらわたしと代わってもらう。

『よぅアスナ。どした?』

『今ね。わたしとリョウの側に真祖の吸血鬼がいるの。これからそいつを向かわせる。勝ったらそいつを好きにしていいから』

『?よくわかんねえけどわかったぜ。そういや、魔帆良のジイサンが警備員を欲しがってたな』

『ちょうどよかったね。それじゃあ』

わたしはナギとの念話をきりエヴァを見る。

「エヴァ…この孤島に行ってきて、そこでナギ、サウザンドマスターがいる。ナギを倒せたら、リョウをあげる」

「…フッ、面白い。受けて立とう。サウザンドマスターなら相手に不足ない。勝ったら文字通りリョウをもらう」

わたしとエヴァは笑いながらにらみ合う。ふふふふ…

「待っていろよリョウ!キサマを私の物にしてやる!」

エヴァはリョウにアピールして飛んでいった。もう会うことはないだろう。ザマァ…

「アスナ…お前」(なんでこうなった…)
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