創造神の誕生(後) ―StS〜ネギま―
□ネギま編 第58話 いざ魔帆良へ
2ページ/3ページ
アスナSIDE
私とリョウは麻帆良へと来ている。ここは本土と少し離れた海上大都市。早い話、魔法使いの都市。その駅前で私達は待ち合わせをしている。
「そろそろかな」
「うん」
「やあ、待たせてしまいましたね」
「タカミチ」
「久し振り」
現れたのはタカミチだった。タカミチは麻帆良学園で教師をやってるらしい。クルトは元老院でいろいろとこっちのために操作している。
ガトウはそんなクルトを支えるためにパイプ役をしている。それにしてもタカミチ…ガトウに似てきた。
「久し振りです。アスナも久し振りだね。背がかなり伸びたね」
「どうも」
「それじゃあ行きましょう。学園長がお待ちしています」
「わかった」
私達は麻帆良学園の女子中学校の校長室に向かう。学園長は木乃香のお爺ちゃんらしい。なんで女子中学校に?趣味?
どっちにしてもわからないや。数分後、校長室に到着した。
「学園長。2人を連れてきました」
「うむ、入ってきなさい」
私達は学園長室に入る。そこにいたのは…顔が縦長いお爺さんがいた。………妖怪?
(おいタカミチ…ほんとにアレ人間か?パッと見じゃ妖怪にしか見えん)
(気持ちはわかります。自分も最初はそうでしたから。けど、立派な人間ですよ)
「お主ら、儂にはしっかり聞こえとるからの」
あの小声が聞こえてたんだ。リョウが年寄りは地獄耳だって言ってたから本当だったんだ。
「儂が学園長の“近衛近右衛門”じゃ。孫の木乃香が世話になった」
「…詠春もお爺さんになったらこうなるの?」
「いや、詠春は婿養子だからならないと思うぞ」
「そう…」
「ま、それはともかくじゃ。実は2人に折り入って頼みたいことがあるのじゃ」
頼みたいこと?なんだろ?
「実はの。ここだけの話来年にネギ君を中等部の先生に、アルナ君を中等部の生徒にするということになっておるのじゃ」
え?どういうこと?なんでここに?しかもネギが先生って。いろいろと問題が起きるんじゃあ。
「…クルトか」
「さすがはリョウ。鋭いの。そうじゃ。元老院の奴等は魔法世界に連れてきてそっちでやらせるつもりじゃったそうじゃ。奴等は2人を傀儡にするつもりじゃ」
「それでクルトがこっちでなにかやらせるという口実で離れさせたのか」
なるほど…あの2人は英雄の子。宣伝にもなるし子どもだから操るのにも最適か。クルトさんよくやった。あれ?じゃあなんで私達を?
「そこで…2人には後のサポートのためにここで一年早く過ごしてほしいのじゃ。リョウを今後ネギ君が担当するクラスの教師に。アスナ君をそのクラスの生徒にの」
「なるほど…よりサポートしやすく先に少しでも慣れてもらうと。…いいだろう。たまにはな。アスナは?」
「いいよ」
「決まりじゃな。済まんの。これが出席簿じゃ。それじゃあタカミチ…案内頼むの。住いはアスナ君は寮暮らしを。リョウはマンションで構わぬか?」
「構わない。タカミチ、案内」
「わかりました」
私達は学園長室から出る。その前にリョウが学園長に話掛ける。
「ああそうそう。俺のことは魔法使いどもには内緒で頼むぞ。目立つのは好きじゃない」
「わかっておる。ちゃんと内密にしとる。知っとるのは今この場にいる儂らだけじゃ」
「助かる。行こうか」
今度こそ出る。案内されてる間、リョウは出席簿を見て生徒の確認をしてる。すると、リョウの口が引くついた。なぜ?
「入ればわかる。やっぱ狸だわ。あのジジイ」
?よくわからないけど。私が今日から入学するクラスに来た。急だったから制服などは着ておらず私服のまま、明日から制服で来るように言われた。
「それでは…入りますよ」
タカミチが入ると何やらトラップが発動した。イタズラだ。すごいなぁ。でも、タカミチはそんなトラップをものともせず破る。
「みんな静かに。今日から新しい生徒と先生がきました。それではどうぞ」
静かにならず騒いでる。騒がしいなぁ。とりあえず私達は教室に入る。入って何人か知ってる人達がいる。
「それでは自己紹介を」
「ああ…創神リョウだ。これからこのクラスの副担任をする。よろしく」
「創神アスナ。今日から生徒になりました。よろしくお願いします」
私は創神と名乗らせてもらう。私の名を言ったあと、知ってる人達に小さく手を振る。そこに睨んでくる娘がいた。
あ………いたんだ。吸血鬼エヴァ。