ハイスクールD×SKL

□第七話 賭け事
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翌日の放課後、イッセーはアーシアとともに部室へと向かう。その途中に木場と小猫と合流した。

「最近、部長の様子がおかしいよね」

「そうですね。なんだか思い悩んでるような」

「心配です」

アーシアと木場と小猫は部長であるリアスを心配していた。それをよそにイッセーはなんかめんどくさそうなのが起こりそうだと予感していた。
部室前に到着した瞬間、木場と小猫は顔をこわばらせて冷や汗を流しながら立ち止まる。

「………ッ!まさかここまで来てやっと気配が察せれたなんて」

「不覚……」

『ま、グレイフィア相手じゃあしゃあねえな。相手が悪すぎる』

木場と小猫の反応にアーシアはきょとんとした顔になるがイッセーだけはいつも通り。イッセーはグレイフィアがこの学園に来た時からすでに気付いていたのだ。
立ち止まる木場達をほっといてイッセーはドアを開ける。そこにいたのはリアスと朱乃、そしてグレイフィアだった。

「こんにちは一誠様。昨晩はリアス共々ご迷惑をお掛けになりました」

グレイフィアがイッセーに挨拶するとリアス以外が驚いた。リアスは昨晩に見た光景なので驚かない。
イッセーは何も言わずにソファーにドカッと座り漫画を読む。それに続くように木場達もそれぞれのいつもの場所に立ち座る。

「みんな揃ったわね。アナタ達に話さなきゃならないことがあるの。実は…」

リアスが話そうとした時、ドア近くに転生魔方陣が現れる。アーシアには見慣れない紋章だが、他の者達はその紋章を知っていた。

「フェニックス…!」

木場が呟いた瞬間、魔方陣から火が出て燃える。その火から現れたのはちょい悪ホスト風の男。

「ふぅ…人間界なんて久し振りだぜ。久しいな!愛しのリアス!」

突然のリアスに対しての馴々しい態度。そんなチャラ男に眷属はよくない表情をする。イッセーはグレイフィアに目配せすると理解して答えてくれた。
このチャラ男が何者なのか。

「この方はフェニックス家の三男坊の“ライザー・フェニックス”様。そしてグレモリー家の次期当主。すなわちリアスお嬢様の婚約者でいられます」

婚約者と聞いて朱乃以外の眷属は驚いたが、イッセーはもう興味を失せたのか無視して漫画の続きを読む。その前にフェニックス家と聞いた時に少し眉が上がったのはグレイフィアですら気付かなかった。





「いやぁ〜、リアスの女王が淹れてくれたお茶は美味いな〜」

「……痛み入りますわ」

朱乃はニコニコしているが機嫌が悪かった。不機嫌なリアスもライザーに文句を言って拒否っている。木場達もライザーの存在にかなり困っている。
そんな中、イッセーだけはいつも通り我関せずで漫画を読みふける。

「……俺もなリアス。フェニックス家の看板を背負ってんだよ。この名前に泥をかけられるわけにもいかないんだよ。こんな狭くてぼろい人間界の建物なんかに来たくなかったし、俺は人間界があまり好きじゃない。この世界の炎と風は汚くてなあ、炎と風を司る悪魔としては堪え難いんだよ!キミの下僕を全員燃やし尽くしてでもキミを冥界に連れて帰るぞ!」

リアスの完全なる拒否にライザーがキレて殺意と敵意を部室に充満させながら炎が駆け巡る。それにリアス達は迎撃体勢をとる。
ただし、2人は普段通りである。その炎が漫画に当たりそうになった瞬間。イッセーは…笑った。
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