ハイスクールD×SKL
□第十七話 引き籠もりヴァンパイア
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イッセー達はある部屋の扉の前に立つ。扉にはテープが貼ってあり開けられなくしていた。
「おいリアス。なんだここは?随分厳重じゃねえか」
「ここには私の最後の下僕。僧侶がいるわ」
「あ?アーシア以外にも僧侶がいたのか」
イッセーはもう1人僧侶がいたことに少し驚いた。しかしこの厳重さはいったいどうしてなのか気になっていた。
「その子はね。かなり強力な神器があるの。優斗の神器とは比べ物にならないほど。もしかしたらブースデット・ギアと同等。当時の私では御せれなかったの。けど優斗の禁手により御せれるとね」
「ほぉ…それはすげえな。ん?でもよ。悪魔って契約とかしないけねえんだろ?今のこの悪魔はただの極潰しじゃねえのか?」
「それが私達の中で一番収入があるのよ」
「は?」
「パソコンのインターネットで…」
「もう言わなくていい。理解した。なるほど」
イッセーはどうして収入してるのか理解した。どうやらこの悪魔はインターネットで通じて収入を得ているようだ。何とも科学の強い悪魔なことだとイッセーは思った。
「じゃあ行くわよ」
リアスはテープを破り朱乃と共に部屋に入る。
「きゃあああああ!!」
「あ?なんだぁ?」
突如、悲鳴が上がる。どうやら部屋の主のようだ。しかし、声からして女子っぽいがイッセーには少し違和感を感じた。
「な、なんなんですか〜〜!?」
「魔王様からお許しが出たわ。一緒にお外に出ましょう?」
「嫌です〜〜!一歩も外に出たくありません〜〜!」
「あらあら、困りましたわね。けど、出ないといけませんわよ」
「朱乃姉様〜!ひどいです〜!」
イッセーは声の主の叫びを聞きイライラしてきたので我慢できなく入る。それに続いて他の面々も入る。入るとかなり綺麗な部屋に真ん中にポツンと棺桶がある。
棺桶の中にはかなりの美少女が。しかし、イッセーは眉をひそめてその美少女をジロジロと観察する。
「ひえ〜〜〜っ!!だ、誰なんですかぁ〜!?しかもいっぱい〜〜!」
「おいリアス。こいつ…男か?」
「…えぇ。そうよ。この子は女装してるけど立派な男の子よ。よくわかったわね」
「声に少し違和感があってな。あと、女にしてはとな」
ようするに直感で見抜いたのだ。初めて会うアーシアやゼノヴィアは全く見抜けなかった。
「この子は“ギャスパー・ヴラディ”。この子が僧侶よ」
「ほぉ…兵藤一誠だ」
「アーシア・アルジェントです!同じ僧侶をしています!」
「ゼノヴィアだ。最近眷属になった騎士だ」
「ひぃえ〜〜〜!」
「…おい、こいつ大丈夫か?まず、外に出したがらない。次になぜ女装を」
「この子は極度の人恐怖症なのよ。ちょっとした事情があってね」
「だ、だって可愛いじゃないですか〜!」
もうイッセーは頭を抱えるしかなかった。引き籠もりな上女装好き。どこから突っ込めばいいのかわからない。とりあえずイッセーにわかったのは、無理矢理に外に出すしかないということ。
「よっく理解したわ。ようするに…こいつを外に引きずり出せばいいんだな!」
「野蛮…」
「あらあら…」
「ちょっとイッセー!それはやめなさい!」
イッセーは手を出してギャスパーを掴もうとする。
「ひいぃ〜〜〜!!」
「!!?なんだ?身体…鈍く…おい…なにした?」
「な、なんで動けるんですか〜〜〜〜!!!」
突然イッセーの身体が鈍くなった。だが、イッセーはそうではないと気付く。周りを見るとリアス達が動かなくなり止まっていた。リアスだけでなく何もかもが停止していた。
風で靡いていたカーテンもがゆらゆらしてる最中に止まっていた。まるで時が止まったかのように。
(まさか…こいつが止めたというのか?動きではなく、時そのものを!こいつはマジで強力な神器だな。これは…おもしれえ!)