究極伝クロスゾーンスーパーZ
□第8話 交ざったおかげでいろいろとヤバくパワーアップしてるよ!それは物も同じ
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2人の岸波白野は互いに苦笑いをしてどうしようかと考える。2人は戦う気など全くない。だがサーヴァントはそうはいかなかった。
キャス狐「ふっふふふふ♪やっとお嬢様の純潔を奪ったあの金ぴか成金野郎を殺殺できます。それだけでありません。去勢拳も浴びせて二度と抱けない身体に!」
ネロ「それだけではツマらぬぞキャス狐。ここはさらに社会的抹殺もしてだな」
ギルガッシュ「クックックッ…どうやら駄狐と赤雑種はよほど我を怒らせて死にたいようだ。よかろう!ならば、虐殺だ!」
岸波「…えっと、ごめん」
白野「こっちもごめんなさい」
サーヴァント達は互いに挑発しながらすでに獲物を出して構えている。2人の岸波白野は互いに謝り合う。そこだけで微笑ましいのだがサーヴァント達のせいで台無しだ。
キャス狐「さあご主人様!ご命令を!あの成金の抹殺を!」
ネロ「奏者よ!早く余に指示を!」
岸波「わかったよ。いくよ、キャスターにセイバー!」
ギルガッシュ「ふむ、面白い。雑種2匹はどうでもよいがキサマと魂が同一のあやつの実力を見るのも悪くない。マスター」
白野「…はぁ。いくよ、王様」
2人の岸波白野は互いのサーヴァントの名を言うと雰囲気がガラリと変わる。今までのぼんやりとした感じから戦いを先を見据える軍師のようになる。
ギルガッシュ「では…まずはこれを防いでみよ!遊んでやろう!」
岸波「セイバー!キャスター!」
ネロ「うむ!」
キャス狐「わかりました!」
ギルガッシュはいきなりのゲート・オブ・バビロンで獲物の雨が降り注ぐ。ネロとキャス狐は岸波の指示で獲物の雨を捌いていく。
ギルガッシュ「ほぉ…防ぐか。よいよい!そうでなくてはつまらぬ!」
岸波「キャスター!」
キャス狐「お任せを!炎天よ走れ!氷天よ走れ!」
岸波「セイバー」
ネロ「うむ!任せよ!」
ギルガッシュはさらに獲物の雨の量を増やして射出する。キャス狐は札を使った呪術で炎と氷を作り出して防壁代わりにして防ぐ。ネロは岸波の指示でキャス狐とギルガッシュのぶつかりでできた煙に突っ込む。煙を突破したネロは獲物を弾きながらギルガッシュに迫る。
ネロ「はああああああ!!」
ギルガッシュ「我に近付いてくるとは、うつけが!」
ギルガッシュは落ち着いて金色の波紋から一本の剣を取り出して防ぐ。そのまま剣撃が始まり、一進一退の攻防をする。
岸波「セイバー!」
白野「王様」
2人の岸波白野は互いのサーヴァントを呼び合う。ギルガッシュとネロの剣撃は激しく、2人とも決定打どころかダメージすら与えられない。
ギルガッシュ「ふむ…さすがと言ったところか。マスターが我の材と同一ならば当然か」
ネロ「ふっ、余だけでは英雄王の攻撃を耐えるのはキツかったな。しかし!奏者のおかげで問題ない。だが…もう1人の奏者のおかげで手傷も負えぬとは」
考えてみれば当然である。互いにマスターは岸波白野。魂が同一なだけ指示や読み合いは互角。これでは勝負がつかない。だが、一つ違うことがあるそれは岸波にはキャス狐がいる。キャス狐は今か今かと指示を待つ。
岸波「キャスター!」
キャス狐「待っていました!」
キャス狐は岸波の指示に大きく跳躍して火、氷、雷、風と四つの属性の札を使う。四つの属性の攻撃は流星となってギルガッシュに襲う。
白野「王様!」
ギルガッシュ「ふっ!賢しい真似を!」
ネロ「おおおおぉぉぉぉっっっ!!!」
ギルガッシュ「ムダよ!」
白野の指示でギルガッシュは威力ある宝剣を射出して四つの属性を相殺する。ネロは空いた場所から不意打ち気味に斬ろうとするが白野の指示ですぐさま波紋からハルバートを取り出して強引に弾く。そのまま遠心力を用いた攻撃を繰り出そうとするが岸波の指示によりネロはすぐさま弾かれた反動を利用して距離を取る。
ギルガッシュ「ふむ…これでは長引くな」
白野「うん」
岸波「2対1なのに互角か。さすがは英雄王ってところかな」
ネロ「どうするのだ奏者よ。宝具を使うか?」
キャス狐「どうしましょう?…ッ!ご主人様!」
キャス狐が突然叫んだ。それに全員が気付いた。ジュエルシードが眩く青白く輝いていたことに。